福住選手が同シリーズ初のポールポジション
地元岡山で2024年以来となる優勝を飾る
8月29日(土)・30日(日)、岡山県の岡山国際サーキットでGT World Challenge Asia JAPAN CUP 2026第5-6戦が開催されました。K-tunes Racingにとってホームコースでの一戦です。開幕戦SUGO大会でのエンジンブローから修復が間に合わない96号車Chevrolet Corvette Z06 GT3.Rは、前戦富士大会ではLEXUS RCF GT3、そして今大会はFerrari 296 GT3 EVOと、2大会続けて代替車両での参戦となりました。
96号車 Ferrari 296 GT3 EVO──Rd.5は不運の接触アクシデントに見舞われる
福住仁嶺・末長一範両選手にとって初めてとなるFerrari 296 GT3 EVOでのレースウィークは、27日(木)の公式テストから始まりました。
急遽の参戦決定でシェイクダウンしたばかりの車両でしたが、デフォルトのセットアップの完成度は高く、辻凱杜チーフエンジニアを始めとするチームは福住選手のフィードバックを踏まえ、前後サスペンションをソフトに、左右方向のスタビライザーをハードにする方向でセットアップを磨き上げていきます。
29日(土)朝の予選Q1では、ジェントルマンドライバーの末長一範選手が1分30秒927をマークして9番手となり、これがRd.5のグリッドポジションとなりました。
続くQ2はプロフェッショナルドライバーの福住選手が担当。残り2分となった4周目に1分28秒432をマークしていったんはトップに立ちますが、直後に555号車が1分28秒394を記録し2番手に後退。
しかし福住選手はセッション終了間際、最後のアタックで1分28秒220にタイムを更新し、コンマ2秒差でポールポジションを奪還しました。2026年シーズン、K-tunes Racingにとって初めてのポールポジションです。
29日午後のRd.5は、9番グリッドから末長選手がスタート。オープニングラップの1コーナーで4番手と5番手の車両が接触し、その1台がコースアウトしたことで96号車は8位に浮上します。
さらに6周目には27号車をかわして7位へ、8周目には3番手を走っていた19号車がトラブルで順位を落としたことで6位まで浮上しました。
しかし13周目、突如「ぶつけられた」という末長選手の声が無線に飛び込みます。リボルバーコーナーで後続車にイン側から接触された96号車は、そのままコースアウトしてグラベルに捕まってしまいました。
FCY(フルコースイエロー)が導入されるなか、オフィシャルの助けを借りて脱出すると、末長選手はそのままピットに戻ります。
メカニックが車両をチェックして大きな問題がないことを確認すると、福住選手は14位でコースに復帰しますが、その後もABSやエンジンの警告灯が点灯するなどして、複数回ピットに戻ることに。
最終的に総合14位(PRO-AMクラス10位)でのチェッカーとなりました。それでも福住選手はレース終了間際に1分29秒795のファステストラップを記録。接触によるダメージが軽微だったことを示す走りとなりました。
Rd.6は悲願のポール・トゥ・ウィンを達成
30日(日)午後のRd.6は、ポールポジションから福住選手がスタート。わずかに出遅れた隙を突かれ、インから9号車に並びかけられると、ターン2でトップの座を明け渡す展開に。
それでも福住選手はテール・トゥ・ノーズの状態で9号車に食らいつき、1分30秒台前半のペースを刻んで3番手以降を引き離していきます。
ピットウィンドウがオープンした25分経過時点でも、トップとの差はわずか0.6秒。福住選手は第1スティントをぎりぎりまで引っ張り、ウィンドウクローズ直前でピットイン。末長選手にステアリングを託します。
前を走る9号車には、前日のRd.5を2位で終えたことによるサクセスペナルティ10秒が科されていたこともあり、末長選手はトップでコースに復帰。第1スティントでプロドライバーたちが刻んでいた1分30秒台に対し、1分31秒台という遜色ないペースをキープし続けます。
その後もFCYやSC(セーフティカー)によるレース中断を挟みながら、末長選手は安定して周回を重ね、そのままトップでチェッカーフラッグを受けました。
K-tunes RacingにとってJapan Cupでの優勝は、2024年にシリーズチャンピオンを獲得したこの岡山大会以来のことです。
ピットでは石井貴之チーム代表をはじめチームスタッフ全員が握手やグータッチで健闘を称え合い、新田守男テクニカルディレクターが目に涙を浮かべる場面もありました。
また、パルクフェルメでクルマを降りた末長選手を福住選手が出迎え、2人はハグを交わして勝利の喜びを分かち合いました。
97号車 Ferrari 296 GT3──トラブルとペナルティを乗り越えてポイントを積み重ねる
予選Q1ではベティ・チェン選手が1分32秒756で11番手。続くQ2では高木真一選手が一時3番手につけるラップタイムを記録しますが、5周目に「パワステが壊れた」との無線がピットに飛び込みます。
實川久敏チーフエンジニアから「走れるなら行きましょう」との指示を受けた高木選手は、コーナーで高い負荷がかかった際にパワーステアリングが効かなくなる症状に見舞われながらも、6周目に1分29秒202まで自己ベストを更新。
しかし、ライバル勢がタイムを伸ばしたことで、最終的に9番手でセッションを終了。チームはすぐさまパワーステアリングユニットを交換し、万全の状態で午後の決勝Rd.5を迎えました。
Q1の結果に基づき、Rd.5はベティ選手が11番グリッドからスタート。前を行く車両の接触やトラブルによる順位変動に助けられたり、逆にオーバーテイクされて順位を落とす場面もありながら、9番手前後で周回を重ねます。
交代した高木選手も冷静な走りを続け、23周目に19号車、24周目には45号車をパスして一時7番手まで浮上しました。
しかしその直後、ベティ選手がピットインの際にピットレーン制限速度を超過していたため、高木選手にドライブスルーペナルティが科されます。
高木選手はこれで9番手に後退し、トップ集団を捉えるチャンスは失われましたが、その後の展開で8位まで挽回。最後は接触アクシデントにより45号車に5秒のタイムペナルティが科されたことでもう一つ順位を上げ、総合7位(PRO-AMクラス6位)でレースを終えました。
Rd.6は9番グリッドからスタートした高木選手が、オープニングラップで2台をパスして7番手に浮上する好スタートを切ります。
ところが14周目に高木選手から「マズい。アンダーステアがきつくなった」との無線が入ります。コーナーでの曲がりやすさを重視したセットアップを採用する中、気温35℃、路面温度48℃という暑さもあって、フロントタイヤが消耗したためでした。
ベティ選手へのバトンタッチ後も上位との差は徐々に開き、総合9位(PRO-AMクラス7位)でレースを終えました。
ポイントに目を向けると、96号車がRd.6優勝で25ポイント、97号車がRd.5で6ポイント、Rd.6で2ポイントを獲得し、この週末だけで合計33ポイントを積み上げました。
K-tunes Racingはチームランキングを14チーム中6位まで押し上げて、シーズン最終戦となる第7-8戦鈴鹿大会を迎えます。


















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