相性の良いSUGOで反転攻勢へ<br>軽いハンディを武器に上位進出を目指す

SUPER GT 2025 Rd.6 SUGO Preview相性の良いSUGOで反転攻勢へ
軽いハンディを武器に上位進出を目指す

by Koichi Yamaguchi / September 19, 2025

9月20日・21日、宮城県スポーツランドSUGOで2025 AUTOBACS SUPER GT Round 6 SUGO GT 300km RACEが開催される。第5戦鈴鹿では厳しい夏の暑さによる影響でエンジンが本来のパフォーマンスを発揮できないなど、苦しいレースとなったK-tunes RC F GT3。今回SUGOでは、サクセスウェイト(※)31kgと軽い状態で戦えるため、大きな追い風となることが期待される。

過去の実績と今シーズンの苦戦、そして転機

今シーズンのK-tunes Racingは厳しい戦いを強いられている。本格デビューから約8年を経たK-tunes RC F GT3には、経年によるトラブルが散見されるほか、前戦鈴鹿では厳しい夏の暑さによる影響でエンジンが本来のパフォーマンスを発揮できず、新田守男選手が「これまでで一番エンジンが吹けない」と語るほど苦しいレースとなった。

マシンとタイヤとのマッチングをはじめ、さまざまな要因が重なり、第5戦鈴鹿を終えた時点でドライバーランキングは15.5ポイントで19位、チームランキングは28ポイントで17位と、上位との差が開いている状況だ。

しかし、スポーツランドSUGOには巻き返しの可能性がある。2023年にはポールポジションを獲得して8位入賞を果たし、2022年はレギュレーション違反により予選タイムが抹消となったもののポールポジション相当のタイムをたたき出すなど、このコースでのポテンシャルは証明済みだ。

昨シーズンは雨の影響で他車との接触によりリタイアとなったが、晴天であれば上位進出が期待できた。

サクセスウェイト31kgの恩恵

今大会最大の追い風は、K-tunes RC F GT3がサクセスウェイト31kgと軽い状態で参戦することだ。これまでハンディを背負っていたマシンにとって、軽量状態での走行は大きなアドバンテージとなる。

サクセスウェイトはレース結果に応じては最大100kgを課され、その差は戦略面でも大きな意味を持つ。サクセスウェイトが50kgを越えた場合、GT300クラスでは「給油流量リストリクター」の径を調整することで給油流量を制限し、給油時間を延長させる。この給油時間の差も課されたチームにとって大きなハンディとなる。

さらにサクセスウェさらにサクセスウェイト31kgの恩恵は、SUGOの特徴的なコースレイアウトでも期待される。

最終コーナーから上り勾配にかけての区間では、いかにスピードを乗せられるかが鍵となるが、コーナー立ち上がりからの加速力に優れるターボ勢が有利な一方、自然吸気エンジンを搭載するK-tunes RC F GT3は本来不利だ。しかし軽いハンディで挑む今回は、ターボ勢に食らいつく走りが期待される。

予選順位が勝負を決する、2人のベテランドライバーの経験値

SUGOは一周が短く、オーバーテイクしにくいサーキット特性のため、予選でいかに前方グリッドを獲得できるかが勝負を分ける。

28台が参戦するGT300クラスでは、わずかなタイム差で順位が大きく変わるため、いかにクリアな状態でタイムアタックできるかが重要になる。

新田守男選手と高木真一選手という2人のベテランドライバーの存在は大きな武器となる。

特に高木選手は、スポーツランドSUGOで今大会に参加するGT300クラスのドライバーの中で最多勝となる3勝の記録を持っており、このコースを知り尽くした経験は何物にも代えがたい財産だ。

軽いハンディで迎えるSUGOは、シーズン後半戦に向けた重要な一戦となる。ここでの結果が残り3戦に向けた流れを大きく左右するだけに、これまで培ってきた経験と技術を活かし、2023年に記録したポールポジションの再現から表彰台獲得まで、総力を挙げた戦いが期待される。

※サクセスウェイト:レース結果によって獲得した通算ポイントに応じてウェイトを搭載することで、各マシンの性能が均衡するよう調整し、シーズンを通じてイコールコンディションに近い状況で戦うことを実現する制度。

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