惜しくもQ2進出ならず 21番グリッドから3時間レースで巻き返しへ
ゴールデンウィーク真っ只中の5月3日、富士スピードウェイには眩しい初夏の陽光が降り注ぎました。第1戦の地元岡山で予選19位から雨と荒れたコンディションを味方に6位入賞を果たしたK-tunes Racingは、この第2戦でも上位を目指します。
朝9時の段階で19度を記録した気温は、5月下旬並みの陽気となり、第1戦岡山に続いて高温コンディションでの予選となりました。シーズンオフの公式テストでは岡山(3/15-16)、富士(3/23-24)いずれも気温が低く、今シーズンはまだ高温路面での走行ができていない中での対応が試されます。
新田守男選手、高木真一選手のベテランコンビとチームは、タイヤ持込数今シーズン最大6セット持込可能というレギュレーションの中で、予選の一発タイムよりも決勝レースでのロングディスタンスを重視する戦略を選択。グリップが高く一発のタイムが出やすいソフト寄りのタイヤではなく、決勝レースを見据えたハード寄りのタイヤコンパウンドで予選に臨みました。
午後2時30分にGT300クラスAグループのQ1がスタートし、Bグループの出走時刻である14時48分に高木選手がコースイン。路面温度33度という高温コンディションの中、高木選手はアタック中盤に見事なドライビングで1分36秒989のベストタイムを叩き出し、一時は6位につけるなどQ1突破の勢いを見せます。
しかし、時間経過とともにライバルチームもタイムアップを図り、徐々に順位が後退。さらなるタイム向上を狙ったアタック中、ダンロップコーナーでABS(※)が作動してコーナーがやや深くなり、貴重なタイムロスとなってしまいました。
「ロングライフタイヤを選んでいた割にはフィーリングがすごく良かったので、Q1通過できると思っていたんですが……」と高木選手は悔しさを隠せません。結果的にグループBで11位に。今シーズンは昨年のタイム合算方式から従来のノックアウト方式に戻ったためQ2進出はならず、21番グリッドからの決勝スタートとなりました。
明日の決勝は3時間の長丁場です。今シーズンから15位までポイント獲得可能となった新ルールを活かし、21番グリッドからの巻き返しを狙います。給油を伴うピットインの義務が2回となる3時間レースでは戦略の幅の広さを活かし、タイヤ選択やスティントの組み方で順位を上げる可能性も広がります。燃費を意識し、タイヤダメージを最小限に抑える走りでポイント圏内を目指す──ベテランコンビならではの経験値が活きる展開に期待がかかります。
(※)ABS:アンチロック・ブレーキング・システムの略。急ブレーキ時にタイヤのロック(スリップ)を防止しする安全装置で、制動距離を最小限に抑えつつハンドルの効きを維持する。




Masahiko Kageyama 影山正彦 Team Director