
速度を芸術に昇華する──
相澤陽介が創造する
K-tunes Racingの「SPEED ART」
2025年、K-tunes Racingが掲げた新しいチームコンセプト「SPEED ART」。この言葉が示すのは…
いよいよSUPER GT 2025シーズンが岡山国際サーキットで開幕する。SUPER GT300クラスに参戦するK-tunes Racingは今シーズンに向け、エンジニア陣の一新によるデータ活用の強化を図り、2019年シーズン以来手中に収めていない優勝獲得に向けて本格始動する。
2018年よりGT300クラスに参戦し、実績を重ねてきたK-tunes Racing。ドライバーは24年シーズンに引き続き、新田守男選手と高木真一選手のベテランコンビが継続。指揮を執るのも引き続き影山正彦チーム監督だ。しかし、チーム内部では大きな技術革新の波が訪れている。
「これまでより新しいやり方で進化しているのが実感できています」と表現するのは、石井貴之チーム代表だ。これは、チーム内のテクノロジーとデータ分析手法が大幅に刷新されたことを指している。
今シーズンからはチーフエンジニアに同チームの下江浩晃氏が就任。
さらに注目すべきは、スーパーフォーミュラで2021年から2連覇に貢献したトップエンジニアの一瀬俊浩氏がサポートエンジニアとして参画し、23-24年と2年連続チャンピオンを支えたデータエンジニアの森藤健吾氏も加入したことだ。
実績豊富なエンジニアが手を組み、「RC Fに搭載された最新のセンサーをすべて活用し、今まで以上にデータを細部まで駆使してマシンを仕上げるようになりました」と石井代表は変革を強調する。
ベテランドライバーの新田選手も「こんなに自分がイメージした通りのセッティングに仕上がったことはない」と驚きを隠さないという。
レクサスRC F GT3の開発を担うTGR-D(トヨタ ガズー レーシング ディベロプメント)からも「非常に高いレベルでデータ活用している」と評されるほどの変革ぶりだ。
シーズン前のテストでは好感触を得ているが、「テストが良くても本番で結果に結びつくかは分からない」と石井代表は冷静さを崩さない。しかし、ベテランドライバー2人からは手応えも得ているという。
こうした体制の強化に加え、2025年シーズンは新たなレギュレーションへの対応も求められる。予選に関しては、昨シーズンはQ1とQ2の合計タイムで競うタイム合算方式が物議を醸したが、今季は従来のノックアウト方式に戻り、「一発勝負型」の予選へと変更された。
また、各レースでの獲得ポイントに応じて車両にウェイト搭載を課すことで車両性能を均衡させることを狙ったサクセスウェイト制も一部変更。
GT300クラスで上限が100kgに引き上げられ、サクセスウエイトが50kgを超えた場合には、重りを増やすのではなく「サクセス給油リストリクター」と呼ばれる装置で給油流量を制限することになった。これにより、上位チームは給油に時間がかかるというハンディを背負うことになる。
燃費効率に課題があるとされるFIA GT3規格車両のRC F GT3にとっては厳しい改定だが、チームはその対策にも取り組む必要がある。
「まずは1勝」という目標を掲げる石井代表。昨季は第7戦オートポリスでトップを独走し、最終的に3位表彰台を獲得するなど勝利に手が届く場面もあった。
今季は最新のデータサイエンスと経験豊富なドライバー、そして末長一範チームオーナーが掲げる「人を鍛える」という理念のもと、チームの総合力で勝利を目指す。
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