
【2025年Rd.3 Sepang】チームとの大切な時間
2025年6月27日・28日にマレーシアのセパン・インターナシ…
7月12日・13日、静岡県富士スピードウェイで開催されるGT World Challenge Asia (GT WCA)2025 JAPAN CUP第3-4戦。K-tunes Racingにとって、この舞台は特別な意味を持つ。昨年の富士大会では、Ferrari 296 GT3が第3-4戦で2戦連続のポール・トゥ・ウィンを達成し、第3戦ではLEXUS RCF GT3が2位入賞を果たして1-2位フィニッシュという理想的な結果を収めた。相性の良いこのサーキットで、ディフェンディングチャンピオンとしての実力を再び発揮することが期待される。
今季はFerrari 296 GT3、Mercedes-AMG GT3 Evo、Porsche 911 GT3など最新のGT3モデルが数多く参戦し、LEXUS RCF GT3にとってはやや厳しい競争環境となっている。
しかし、1.5kmのメインストレートと多彩な中・高速コーナーを持つ富士スピードウェイは、LEXUS RCF GT3の特性を活かせる舞台だ。
セクター1・セクター2のストレート〜中高速コーナーは得意領域となる一方、第3セクターのタイトコーナーが続く上り勾配では自然吸気エンジンの特性上、ツインターボエンジンを搭載する98号車のFerrari 296 GT3に対してやや不利となる。
それでも昨年第3戦で2位入賞を果たした実績が示すように、セッティングが決まれば十分な速さを発揮する。
ジェントルマンドライバーの末長一範選手と2019年SUPER GT300チャンピオンの福住仁嶺選手のコンビは、セットアップの最適化と福住選手の卓越したドライビングによってマシンのポテンシャルを引き出し、上位進出を目指す。
98号車Ferrari 296 GT3は、昨年の富士大会で完璧な勝利を収めた。高木真一選手と山脇大輔選手のコンビは、スーパー耐久シリーズでも監督とドライバーとして連携を重ねており、GT WCAでも安定した競争力を維持している。
今季は競争環境が大きく変化した。同じFerrari 296 GT3を駆るライバルチームが計7台にまで増加し、純粋にドライバーのスキルとチーム戦略の差が勝敗を分ける構図となった。SUGO大会で印象的なペースを見せたMAEZAWA RACINGなど、新たな強豪の台頭により激戦は必至だ。
昨季から蓄積されたデータとセッティングノウハウは大きなアドバンテージとなる。メカニック、エンジニアともに昨季から変更がなく、安定したチーム体制でより緻密な戦略が可能だ。
これまで新しいマシンの優位性に支えられていた部分を、セットアップの精度とレース戦略、そしてドライバーの経験とスキルで上積みしていくことで、勝利への道筋は十分に見えている。
GR SUPRA GT4 EVO2は、永井良周選手とベティ・チェン選手がステアリングを握る。
昨季GT WCAでGT3マシンを駆っていたベティ選手にとって、SUGO大会ではGT4マシン特有の市販車に近い挙動の大きさに戸惑いを見せたが、富士スピードウェイについては「コース幅が広くて高速コーナーが多く、得意なサーキット」とのコメントを残しており、巻き返しが期待される。
永井選手もレースを経るごとに成長を続けており、昨年の富士大会では周回を重ねるごとにタイムを向上させる適応力を発揮した。SUGO大会では両レースで3位表彰台に立っており、富士スピードウェイでは更なる上位を目指す。
GT WCA JAPAN CUP 第3-4戦富士大会は、連覇に向けた大きなステップアップの機会だ。福住選手という新戦力の活躍、ディフェンディングチャンピオンとしての経験、そしてチーム一丸となった戦略。これらすべてが融合したとき、富士スピードウェイで再び勝利を手にすることができるはずだ。7月12日・13日、富士の地で繰り広げられる戦いに注目したい。