
相性良き富士で連覇への道筋を新戦力 福住仁嶺選手とともに挑む夏の決戦
96号車LEXUS RCF GT3──新戦力との融合で表彰台を目指す …
標高3,776メートルの霊峰富士を間近に仰ぐ富士スピードウェイで7月11日から13日にかけて開催されたGT World Challenge Asia 2025 JAPAN CUP第3-4戦。
昨年の富士大会では98号車Ferrari 296 GT3が2戦連続のポール・トゥ・ウィン、96号車LEXUS RCF GT3も第3戦で2位入賞を果たし1-2フィニッシュという理想的な結果を収めていた。相性の良いサーキットでディフェンディングチャンピオンとしての実力発揮が期待された。
開幕戦SUGO大会より7台増えて今季最多となる25台がエントリーした今大会は、気象面でも変化に富んだ戦いとなった。12日(土)は気温24℃、路面温度31℃と7月中旬としては涼しい一日だったが、翌13日(日)は一転して強い陽光が照りつけ、気温31℃の真夏日となった。
前戦SUGO大会と同様の3台体制で臨んだK-tunes Racingだったが、96号車の安定した走りと98号車・97号車のトラブルという対照的な結果となった。
12日の予選Q1では末長一範選手が15位と苦戦したが、Q2で日本を代表するトップドライバーの一人である福住仁嶺選手が真価を発揮した。
福住選手は最終アタックで1分39秒133のタイムを記録し、Ferrari 296 GT3をはじめ最新のGT3マシンがエントリーする中、5番グリッドを獲得。ジェントルマンドライバーの末長選手に合わせたセッティングでありながら、この結果は福住選手の実力を物語るものだった。
決勝レースRd.3では末長選手が15番グリッドからスタートし、ピットストップ後に福住選手にバトンタッチ。福住選手は1分40秒台のペースで着実に順位を上げ、終盤に前を走る1号車Ferrari 296 GT3をパスして5位入賞を果たした。
決勝レースRd.4では福住選手が5番グリッドからスタートし、末長選手との連携で7位でゴールイン。96号車は確実にポイントを重ねた。
金曜日の予備予選では高木真一選手が3番手のタイムを記録するなど快調な滑り出しを迎えていたが、予選では両セッションともタイムアタック中の赤旗で本来の力を発揮できず、山脇大輔選手がQ1で9位、高木選手がQ2で7位という結果に終わった。
決勝レースRd.3では山脇選手が担当する第1スティントでABSシステムに不具合が発生、本来のブレーキングが行えず一時は20位まで順位を落とす。高木選手に交代後、1分42秒台という苦しいペースながらも、ベテランならではの粘り強い走りで13位まで順位を上げてゴールした。
決勝レースRd.4でも依然としてABSのトラブルが解消されず、ブレーキングポイントの早さから後続車との接触を避けるため、高木選手は7番グリッドからスタート直後にピットレーンに入って最後尾からの再スタートを余儀なくされた。
しかし2ラップ目の第1コーナーにて、同じく車両にトラブルを抱えていたベティ・チェン選手が駆る97号車との接触でコースアウトし、リタイアという結果に終わる。ディフェンディングチャンピオンにとって、今季の富士は試練の舞台となった。
予選Q1では永井良周選手がアタック中の赤旗によりベストなタイムを出せず総合25位(GT4カテゴリー4位)、Q2ではGT4クラス1台がトラブルで走れない中、ベティ・チェン選手が総合23位(GT4カテゴリー3位)で予選を終えた。
決勝レースRd.3では永井選手が25番グリッドからスタートし、ベティ選手に交代後GT4カテゴリー3位(GT4 AMクラス1位)で完走を果たし、表彰台に立ちました。
しかし決勝レースRd.4では状況が一変。ベティ選手が23番グリッドからスタートしたが、2ラップ目に22番手を走る98号車の高木選手と接触。両車ともマシントラブルを抱えた状態での避けられないアクシデントにより、97号車はコースアウトしてリタイアとなった。
96号車LEXUS RCF GT3が5位と7位入賞を果たし堅実にポイントを重ねた一方、98号車Ferrari 296 GT3と97号車 TOYOTA GR Supra GT4 Evo2は想定外のトラブルに見舞われるなど厳しい結果となった。
ディフェンディングチャンピオンとして連覇を目指すK-tunes Racingにとって、8月29-31日に地元岡山で開催される次戦での巻き返しが期待される。
GT World Challenge Asia 2025 JAPAN CUP Rd.3-4 FUJIを終えて
決勝Rd.4では福住選手が予選で5番手を獲得してくれ、良い流れでバトンタッチしてもらいました。昨日のRd.3ではリアのトラクション不足などマシンのセッティングに課題が多かったのですが、Rd.4ではかなり改善され、1分43秒台をキープして走ることができました。まだまだ課題はありますが、最終戦の鈴鹿は昨年優勝するなど LEXUS RCF GT3が得意なこともあり、そこを見据えてチームと話しながら頑張っていきたいと思います。
Nirei Fukuzumi 福住仁嶺 ドライバー
予選Q2で5位に入りましたが、トップとのラップタイム差は1秒ほどあり、勝負するのにはまだ差があります。ただ、昨日のRd.3よりもRd.4の方がクルマをいい方向に仕上げられました。LEXUS RCF GT3に乗るのは今回のGT WCAが初めてで探り探りでしたが、ようやくセッティングの方向性が見えてきました。トップとの差を埋めるのはまだ難しいですが、今回得たものをしっかり分析して、より良いマシンに仕上げられるよう努力します。
Daisuke Yamawaki 山脇大輔 ドライバー
決勝レースRd.3の序盤からABSシステムの不具合が発生しました。このマシンはABS制御を前提として設計されているため、ABSが作動しないとまともにブレーキが踏めない状況になってしまいます。システム系のトラブルは機械系と違って見た目では判断できず、修復が非常に困難です。今回は、予選・決勝を通して、何もできなかったというのが正直な気持ちです。次戦では万全の状態で臨めるよう、しっかりと準備したいと思います。
Yoshichika Nagai 永井良周 ドライバー
12日は予選Q1と決勝Rd.3ともにトラブルでイエローフラッグやレッドフラッグが頻出し、自分の走りができなかったと感じています。さらに13日の決勝Rd.4でもマシントラブルが発生し、ベティ選手が98号車の高木選手と接触するアクシデントが起きてしまいました。不運な状況が重なったこともあり、この週末はレースをしている実感がないというのが正直な気持ちです。次戦では自分の走りをしたいと思います。
07/12 決勝Rd.3 富士スピードウェイ 天候:曇り 路面:ドライ
07/13 決勝Rd.4 富士スピードウェイ 天候:晴れ 路面:ドライ
07/12 決勝Rd.3 富士スピードウェイ 天候:曇り 路面:ドライ
07/13 決勝Rd.4 富士スピードウェイ 天候:晴れ 路面:ドライ
07/12 決勝Rd.3 富士スピードウェイ 天候:曇り 路面:ドライ
07/13 決勝Rd.4 富士スピードウェイ 天候:晴れ 路面:ドライ
Kazunori Suenaga 末長一範 ドライバー