
K-tunes Racing 富士で明暗分かれ96号車好調も98・97号車にトラブル
96号車 LEXUS RCF GT3──両ドライバーの安定した走りで上位…
5月3-4日の第2戦以来、約3カ月ぶりにSUPER GTが日本に帰ってくる。富士スピードウェイで8月2日(土)、3日(日)に開催される2025 AUTOBACS SUPER GT 第4戦「FUJI GT SPRINT RACE」は、Race 1、Race2の2つのスプリントレースという、現在のSUPER GTとは異なるフォーマットで実施される。昨季の第4戦富士では前走車のタイヤバランスウェイトがラジエターを直撃する不運によりリタイアとなったK-tunes Racingにとって、今大会は雪辱への期待が高まる一戦だ。
第4戦富士大会の特徴は、土曜日のRace1でGT500クラス、GT300クラスの混走による35周、日曜日のRace2でクラス別による50分間という、2つの異なる戦い方が採用されていることである。
各レースの全セッションを各日担当のドライバー1名が走り抜き、給油義務やタイヤ交換義務も設けられていないため、従来のようなチーム戦略や駆け引きの要素が排除され、純粋にドライバーのスキルとタイヤマネージメント、そしてマシンのポテンシャルが勝敗を決する戦いとなる。
また、今大会は特別にサクセスウェイト(※)が0kgに設定されており、これまで約20kgのハンデを背負っていたK-tunes RCF GT3にとっては、久々にノーウェイトでの走行となる。しかし、富士スピードウェイでの真夏のノーウェイト走行については、どのチームも十分なデータを蓄積しておらず、レース展開を読むことが難しい状況だ。
今大会では、GT300クラス28台による20分間の予選が実施される。通常のグループ分けも、Q1の上位半分のみがQ2に進出できるノックアウト方式も採用されないため、28台が同時にコースを走り、継続的にタイムアタックを行う必要がある。こうした状況では、前方に遅い車両がいない状態でのアタックがカギとなる反面、1.5kmという長いストレートでのスリップストリーム活用も重要な要素となる。
一方、決勝レースでは、真夏の酷暑がドライバーとマシンに過酷な試練をもたらす。同じく8月に開催された2024年の第4戦富士大会では、高い路面温度によるタイヤトラブルが相次いだ経緯もあり、今大会ではタイヤ交換義務がない中で、いかにタイヤを最後まで持たせるかが重要な課題となる。
こうした真夏のレースならではの難しさ、サクセスウェイト0kgという久々の条件など、不確定要素が多々ある中で、K-tunes Racingの強みとなるのが新田守男選手と高木真一選手という2名のベテランドライバーの存在だ。
両選手ともに富士スピードウェイでのレース経験が豊富であり、過酷な条件下でのレース運びにおいて、冷静な判断力を発揮することが期待される。土曜日のRace1には新田選手、日曜日のRace2には高木選手が出走し、それぞれの持ち味を活かして上位進出を目指す。
6月27-28日にマレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで開催された第3戦で今シーズン初めてポイント獲得を逃した苦い経験を経て、K-tunes Racingは第4戦で巻き返しを図る。SUPER GT初のスプリントレース形式という新たなフォーマットの中、久々にノーウェイトとなったRCF GT3がどのようなパフォーマンスを見せるか──真夏の富士で繰り広げられる挑戦に注目したい。
※サクセスウェイト:レース結果によって獲得した通算ポイントに応じてウェイトを搭載することで、各マシンの性能が均衡するよう調整し、シーズンを通じてイコールコンディションに近い状況で戦うことを実現する制度。