相性の良いオートポリスで反転攻勢へ<br>BOP改善と新タイヤのポテンシャルに期待

SUPER GT 2025 Rd.7 AUTOPOLIS Preview相性の良いオートポリスで反転攻勢へ
BOP改善と新タイヤのポテンシャルに期待

by Koichi Yamaguchi / October 17, 2025

10月18日・19日、熊本県オートポリスで2025 AUTOBACS SUPER GT Round 7 AUTOPOLIS GT 3Hours RACEが開催される。前戦SUGOではトラブルによりリタイアを喫し、チームランキング19位まで後退したK-tunes Racing。しかし、オートポリスは過去に好成績を残してきた相性の良いサーキットだ。BOP(注)の改善や新タイヤとのマッチングなど、明るい要素も見え始めている今回、チームは反転攻勢の好機と捉えている。

過去の実績が示す可能性

昨シーズンのオートポリスでは、荒天により変則的な日曜日のみの開催となったレースで予選4位、決勝3位表彰台を獲得している。

高木真一選手がウェットコンディションの予選で好タイムを記録し、決勝では新田守男選手とのコンビで一時トップに立つなど、終始上位争いを展開する見事な走りを見せた。

さらに遡れば、2021年のオートポリスでも表彰台を獲得しており、K-tunes Racingにとってこのサーキットは実績のある舞台だ。チームとしてこれまでオートポリスでは1位、2位、3位とすべての表彰台を経験しており、このコースでのポテンシャルは証明済みと言える。

オートポリスの特徴とマシンとの相性

標高819mの阿蘇の山脈に位置するオートポリスは、最大で上り勾配7.2%、下り勾配10%と高低差52mのアップダウンが激しいサーキットだ。

さらにコーナーが連続し、路面も荒いことから、タイヤへの負担も大きく、気圧の影響も大きい厳しい環境下にある。こうした特性の中で、K-tunes RCF GT3の特性が活きる要素がいくつかある。

まず、中高速コーナーが多いレイアウトはNAエンジンを搭載するRCF GT3に適している。標高が高いことで気圧が低下するため、エンジンには不利な面もあるが、一方で気温が低いことはエンジンの冷却面ではプラスに働く可能性がある。

今シーズンは厳しい暑さの影響でエンジンが本来のパフォーマンスを発揮できない状況が続いていたが、オートポリスの環境はその問題を緩和する追い風となるかもしれない。

また、近年のオートポリスでの戦績を鑑みると、比較的タイヤの摩耗が激しいこのサーキットの路面とダンロップの硬めのタイヤとの相性も良さそうだ。

BOP改善という明るい材料

今回のオートポリスでは、K-tunes RCF GT3はBOPの変更によりエアリストリクター径が42mmに拡大される。昨シーズンのオートポリスで38mmから40mmに改善された際、両ドライバーは「ようやくライバルについていけるようになった」と語っていたが、さらなる改善は大きな期待材料だ。

加えて、前戦のSUGOでは同じダンロップタイヤを装着するSyntium LMcorsa LC500 GTが優勝を飾っており、新しいコンパウンドのタイヤが結果を残している。これらの要素がうまく噛み合えば、上位進出の可能性は十分にある。

重要性を増す一戦

前戦SUGOで完走できなかったことで、K-tunes Racingのチームランキングは19位まで後退している。シーズン最終戦ツインリンクもてぎを残すのみとなった今、ここでの結果は極めて重要な意味を持つ。

新田選手と高木選手というベテランコンビの経験と、オートポリスでの実績を武器に、チームは総力を挙げてこの重要な一戦に臨む。

相性の良いサーキット、改善されたBOP、マッチングが期待される新タイヤ。これらの要素が揃う今回のオートポリスは、K-tunes Racingにとって上位進出への絶好の機会となる。ここでの好結果が、最終戦に向けた流れを大きく変える可能性を秘めている。

(※)「BOP(バランス・オブ・パフォーマンス)」は日本語で「性能調整」を意味し、異なる性能のマシンが競合するレースにおいて、各車両の性能差を埋め、より接戦で面白いレースを促すために導入されているシステム。

2024年以前のレースレポートなど過去の記事はこちらから

Archives

2024年以前のレースレポートなど

Share!