2025年シーズン最終戦、アクシデントを乗り越え13位完走来季へ繋がる新タイヤとセットアップの手応えを掴む
予選──タイヤ戦略の転換によりQ1 3位でQ2進出も18番グリッ…
11月8日、9日に富士スピードウェイで開催されたインタープロトシリーズ2025シーズン最終戦。ジェントルマンクラスでは末長一範選手が土曜日の第5戦で優勝を飾ったが、翌日の雨のレースではスピンで後退した。プロフェッショナルクラスでは阪口晴南選手が予選で苦しんだものの、悪天候の日曜日第6戦で6位入賞を果たし、来季に向けた手応えを掴んだ。
シリーズ専用車両「kuruma」による完全イコールコンディションでの戦いが特徴のインタープロトシリーズは、2013年にスタートし、今年で13年目を迎えた。ABSやトラクションコントロールといった電子制御デバイスを一切搭載せず、ドライバーの技量がそのまま結果に直結する。


K-tunes Racingは2017年からこのシリーズに参戦を続けており、ジェントルマンカテゴリーには末長一範選手、プロフェッショナルカテゴリーには昨シーズンより阪口晴南選手が参戦している。
8日午前9時、雲に覆われた富士スピードウェイでジェントルマンカテゴリー予選がスタートした。気温12℃、路面温度13℃と低温のため、序盤は確実にタイヤを温めながらアタックのタイミングを探る展開となった。


ジェントルマンカテゴリーには、ジェントルマンクラス(G)と格上であるジェントルマンエキスパートクラス(E)が存在する。
末長選手はジェントルマンクラスに参戦しており、同クラスの他ドライバーが1分47〜51秒台で推移する中、自己ベストとなる1分46秒926を記録。ジェントルマンクラスでポールポジションを獲得し、ジェントルマンカテゴリー総合でも4位という素晴らしい結果だった。


「スタート前にチームで話した作戦通りの走りができました。タイヤの温め方や走る位置取りがかみ合い、好タイムが出せました」と末長選手。
GT WORLD CHALLENGE ASIA JAPAN CUPに参戦することで得られる経験値の向上と、今シーズンからチームにジョインした加藤博エンジニアによるセットアップが自身に合っていると語った。


午後1時11分にジェントルマンレース第5戦決勝がスタート。路面温度が予選時の13℃から19℃まで上昇したことで、タイヤが温まりやすいコンディションとなった。
末長選手の96号車は4番グリッドからスタートし、1コーナーでエキスパートドライバーの55号車にオーバーテイクされて5位に後退したものの、ジェントルマンクラスとしては首位をキープ。


その後、48秒台で前を行く55号車に迫る走りを見せ、5ラップ目から9ラップ目までラップごとにベストタイムを更新。最終的に1分47秒658を記録し、12ラップを走り切りジェントルマンクラス優勝を飾った。


翌9日は一転、気温11℃の雨。コース全体に霧が立ちこめる悪天候となった。96号車はウェット路面に合わせてソフト方向にセットアップを変更して臨んだ。


ジェントルマンクラス第6戦は、前日の予選セカンドベストタイムにより5番グリッドからスタート。視界不良のためウォームアップ走行が約10分遅れ、セーフティカー先導での慎重な立ち上がりとなった。
グリーンフラッグが振られた直後、トップの44号車がスピン。末長選手は一時4位に浮上したものの、6ラップ目のヘアピン立ち上がりでスピンしてクラス最下位の11位に後退。さらに第13コーナーの進入でもスピンし、最下位のままレースを終えた。


「ヘアピンでのスピンは、まだまだだという思いがあります。しかしミスを恐れていては前には行けないので、いい経験になりました」と末長選手は振り返った。
8日午前10時、プロフェッショナルクラス予選がスタート。インタープロトシリーズではジェントルマンクラスとプロフェッショナルクラスで同じマシンをシェアしており、この週末、セットアップはジェントルマンドライバーの末長選手に合わせた安定志向に振られていた。


SUPER GT500クラスなど国内トップカテゴリーで活躍する阪口晴南選手にとって、このセットアップはアンダーステア傾向が強く、予選一発でタイムを出すには厳しいものだった。結果、1分45秒089を記録して8位に終わった。
9日14時30分、プロフェッショナルクラス第5戦がスタート。スタート直前に雨脚が強まったため、チームはグリッド上で急遽より溝の深い新品のレインタイヤに履き替えた。


阪口選手は8番グリッドからスタートし、序盤は10位まで後退したものの、9ラップ目には1分58秒826というベストラップを記録するなど徐々にペースを上げ、8位でフィニッシュした。
続く第6戦では本領を発揮する。第5戦の順位である8番グリッドからスタートした阪口選手は、スタート直後に12位まで後退したものの、2ラップ目で10位、3ラップ目で9位と着実にポジションアップ。4ラップ目には1分58秒249とトップ勢を凌ぐベストラップを記録し、5ラップ目には71号車、88号車の2台をパスして7位にジャンプアップした。


7ラップ目には、トップ勢も1分59秒台にタイムが落ちる中、唯一58秒台でラップ。ギアが入りにくいというトラブルがありながらも、9ラップ目に32号車をパスして6位でチェッカーフラッグを受けた。
「ドライ路面は金曜日の練習走行から不調だったのですが、ウェットになると本来のパフォーマンスが戻ってくる感じがありました。それが決勝でしっかり現れて良かったです」と阪口選手はレースを振り返った。


今シーズン最終戦では末長選手が土曜日に優勝を飾り、阪口選手も雨のレースで本来の速さを見せた。シーズンを通じて、末長選手はドライビングスキルで大きな進化を遂げた。


一方、阪口選手は開幕戦からマシントラブルに見舞われ、満足にレースができないシーズンが続いたが、最終戦では本来のパフォーマンスを証明した。2026年シーズン、両選手のさらなる活躍に注目したい。
Inter Proto Series 2025 Rd.5-6を終えて
非常に充実したシーズンでした。自分自身のドライビングスキルが向上した年でもありましたし、インタープロトのクルマの特性もようやく理解できました。エンジニアが代わったことでセットアップも変わり、大きな収穫がありました。ポイントランキングなど全体を通しての結果としては結びついていませんが、手応えとしては十分にありました。来シーズンはシリーズチャンピオンをまず目指す中で、土曜日、日曜日両日に結果を出せるような安定した走りをしていきたいと思います。
Sena Sakaguchi 阪口晴南 ドライバー
ドライコンディションでは金曜日の練習走行から調子が悪く、予選でもそれが結果に出てしまいました。一方、ウェットになると本来のパフォーマンスが戻ってくる感じがあり、それが決勝結果につながりました。途中、開幕戦で起きたギアが入りにくいというトラブルも再発して後方に下がりましたが、そこから追い上げるペースは非常に良かったと思います。ドライでの課題は原因が見えてきているので、来シーズンはそれが解消できることを期待しています。マシントラブルでまともに走れなかったシーズンでしたが、最終戦では楽しくインタープロトらしいレースができました。
11/08 ジェントルマンクラス予選 富士スピードウェイ 天候:曇り 路面:ドライ
11/08 ジェントルマンクラス第5戦決勝 富士スピードウェイ 天候:曇り 路面:ドライ
11/09 ジェントルマンクラス第6戦決勝 富士スピードウェイ 天候:曇り 路面:ウェット
11/08 プロフェッショナルクラス予選 富士スピードウェイ 天候:曇り 路面:ドライ
11/09 プロフェッショナルクラス第5戦決勝 富士スピードウェイ 天候:雨 路面:ウェット
11/09 プロフェッショナルクラス第6戦決勝 富士スピードウェイ 天候:雨 路面:ウェット
Kazunori Suenaga 末長一範 ドライバー