シーズン最終戦、末長選手が第5戦で優勝阪口選手は雨の第6戦で6位に
完全イコールコンディションでの戦い シリーズ専用車両…
12月14日、岡山国際サーキットでインタープロトレース特別戦が開催された。通常は富士スピードウェイで行われるインタープロトシリーズ(IPS)の専用車両「Kuruma」が、岡山国際サーキットを初めて走り、地元を中心としたモータースポーツファンが、シーズンオフのサーキットに駆けつけた。K-tunes Racingは阪口晴南選手と、SUPER GTやSUPER FORMULAで活躍する牧野任祐選手がプロ-プロクラスに参戦。RACE 1でポール・トゥ・ウィンの総合優勝、RACE 2で2位表彰台という、来シーズンに向けて確かな手応えを掴んだ。
インタープロトシリーズは、専用車両「Kuruma」と横浜ゴムのワンメイクタイヤによる完全イコールコンディションの戦いが特徴。電子制御デバイスを排除したマシンで、ドライバーの技量やマシンのセットアップが勝敗を分ける。SUPER GTに参戦するトップドライバーたちが、同じマシンとタイヤでガチンコの勝負を繰り広げることで、人気を博している。


K-tunes Racingは2017年から参戦を続けており、2025シーズンはジェントルマンクラスに末長一範選手、プロフェッショナルクラスには阪口晴南選手が参戦。阪口選手はシーズンを通してマシントラブルに泣いたものの、末長選手は2回表彰台中央に立つなど好成績を残した。
今回の特別戦では、末長選手が欠場。代わりにSUPER GTやSUPER FORMULAで活躍する牧野任祐選手が、阪口選手とのプロ-プロクラスでエントリーすることとなった。


福住仁嶺選手、山下健太選手、小高一斗選手、大湯都史樹選手、大津弘樹選手といったSUPER GT500クラスのトップドライバーたちがシーズンオフの岡山国際サーキットに集結。会場は、冷え込む朝から駆けつけたファンの熱気に包まれていた。
14日朝、前夜の冷たい雨は上がったものの、8時15分からのプロフェッショナルクラス予選は気温7℃、路面温度も7℃と冬のレースならではの冷え込みで、路面もウェットコンディション。


阪口選手は慎重に走り出しながらも、3ラップ目には1分49秒647で首位に立ったが、他車も次々と49秒台に入り順位は4位に後退。4ラップ目に1分48秒694と48秒台に入り2位に浮上したところで赤旗中断に。再開後の予選終了間際、唯一の48秒台となる1分48秒219を記録し、ポールポジションを獲得した。


続くジェントルマンクラス予選では牧野選手がステアリングを握り、1分50秒566のタイムで2位に。
阪口選手が「クルマの特性的にも富士スピードウェイより岡山の方が合っている」と手応えを語る通り、前日の練習走行で岡山の低速コーナーに合わせたセットアップを詰めた成果が予選で発揮された。


今回の特別戦では、1時間の決勝レース中にドライバー交代を行う特別ルールが採用された。RACE 1ではプロフェッショナルドライバーがスタートし、25分~35分の間にピットインしてジェントルマンドライバーに交代。
ピットロード通過時間は、ジェントルマンドライバーが3分、プロフェッショナルドライバーにはハンディとして3分50秒が設定された。


11時にスタートしたRACE 1では、ポールポジションからスタートした阪口選手は安定したペースでトップを走行。3ラップ目には唯一の38秒台となる1分38秒941を記録すると、その後も周回を重ねるごとにベストタイムを更新し、7ラップ目には1分34秒574まで短縮した。


7ラップ目、32号車小高一斗選手と3号車大湯都史樹選手がアトウッドカーブで接触しコースアウトしたためセーフティカー(SC)が導入。チームはSC中にタイヤが冷え、解除直後は各車ともペースが上がらないことを見越し、このタイミングでのピットインを決断。無線で11ラップを終えてSCが解除されるタイミングでピットインするよう指示した。


阪口選手は作戦通りにピットインし、牧野選手にドライバー交代。レギュレーション通り3分50秒後にコースに復帰したときには、最下位の6位まで後退していたが、牧野選手は周回を重ねるごとに前を行くジェントルマンドライバーを確実にパスしていく。


19ラップには4位、20ラップには3位と順位を上げ、残り10分の23ラップ時点では1位を走る37号車から13秒876後方のクラス2位まで浮上。牧野選手は37号車とのギャップを周回ごとに3秒ほど縮める快走を見せた。ピットからは「いまのペースで行けばファイナルラップにトップに出られるから頑張って」との激励が無線で伝えられる。

残り2分を切った28ラップ目、ついに牧野選手はアトウッドカーブで37号車をオーバーテイクし総合1位に浮上。そのままチェッカーフラッグを受け、見事ポール・トゥ・ウィンに輝いた。


2人のドライバーがRACE 1でややアンダーステア傾向を指摘したことから、RACE 2ではフロントがより入りやすいようセットアップを変更。2番グリッドからスタートした牧野選手は序盤、同じくプロ-プロクラスに参戦している3号車の坪井翔選手に時折オーバーテイクを仕掛ける走りを見せる。ジェントルマンドライバーが1分35〜38秒台でラップするなか、トップ2台のみ1分33秒台の圧倒的なタイムで周回を重ねた。


14ラップを終えて牧野選手は2位でピットイン。RACE 1優勝のハンディでピットタイムに20秒が加算され、4分10秒を経て阪口選手は5位でコースに復帰した。その後、1分33秒台の好調なタイムで周回を重ね、19ラップ目に11号車国本雄資選手をパスして4位に。さらに25ラップには37号車福住仁嶺選手と激しいバトルを展開。接近戦が続く中、阪口選手がオーバーテイクに成功し3位に浮上した。


その勢いのまま27ラップでは32号車小高一斗選手をパスして2位に躍進。2位、3位、4位の3台が密集する激戦を制した。残り7分、福住選手のスピンによりSCが導入。解除されないまま阪口選手は2位でチェッカーフラッグを受けた。

RACE 1でポール・トゥ・ウィン、RACE 2では2位と、K-tunes Racingにとって来シーズンに向けて明るい兆しを感じさせる週末となった。エキシビションマッチながらシーズン中と変わらぬディスカッションをエンジニアと重ねてセットアップを改善していく阪口選手の姿勢は、2026年シーズンへの着実な一歩となるはずだ。
Inter Proto Race 特別戦を終えて
RACE 1はポールポジションから走り、雨上がりのコンディションで慎重に周回を重ねながらトップでバトンを渡すことができました。富士スピードウェイとは異なるコース特性の岡山国際サーキットに対し、土曜日の練習走行で有意義にセットアップを詰められたことが結果につながりました。クルマの特性が岡山のほうが合っており、非常に良いパフォーマンスを発揮できました。RACE 2では、お客さんの多いヘアピンからパイロンコーナーにかけて2位〜4位の3台による激しいバトルをお見せできたのも良かったです。エキシビションマッチながら、チームとのディスカッションはシーズン中と変わらず真剣に取り組め、充実した週末でした。
Tadasuke Makino 牧野任祐 ドライバー
インタープロトシリーズには別チームで参戦していますが、今回初めてK-tunes Racingのマシンに乗りました。マシン特性の違いや、特別戦ならではのレースフォーマットの違いがありましたが、結果的にレースを楽しめて良かったです。第2スティントを担当したRACE 1では、ジェントルマンドライバーと混走したため、プロ同士のレースにはない気づかいが必要で、普段とは違う難しさがありました。RACE 2では坪井選手との真剣なバトルを楽しめました。シーズンオフのエキシビションマッチならではの和やかな雰囲気の中、走り出せば本気のレースになる、この独特な空気感を楽しめました。
12/14 プロフェッショナルクラス予選 岡山国際サーキット 天候:曇り 路面:ウェット
12/14 ジェントルマンクラス予選 岡山国際サーキット 天候:曇り 路面:ウェット
12/14 RACE 1 岡山国際サーキット 天候:晴れ 路面:ウェット / ドライ
12/14 RACE 2 岡山国際サーキット 天候:晴れ 路面:ドライ
Sena Sakaguchi 阪口晴南 ドライバー