ベテランコンビの走りとチーム力で3時間を戦い抜く
予選21番手から勝ち取った貴重なポイント
初夏の陽光が降り注ぐ5月4日、富士スピードウェイにて2025年SUPER GT第2戦の決勝レースが行われました。K-tunes RCF GT3は、予選21番手からスタートしながらも、厳しいコンディションの中で粘り強く走り切り、13位でフィニッシュ。2戦連続でポイントを獲得しました。
決勝当日は予選に続き晴天に恵まれました。気温24℃、路面温度38℃という高温コンディションのなか、14時11分、静岡県警のパトカー4台、白バイ9台がSUPER GTマシンを先導する交通安全啓発パレードラップがスタート。その後、14時18分にブルーシグナルが点灯し、3時間という長丁場レースの火蓋が切って落とされました。
第1スティントを担当した高木真一選手は、ロングディスタンスを見据えてハード目のタイヤを選択しました。しかし高い気温と路面温度の影響からか、エンジンパワーとタイヤが本来のパフォーマンスを発揮できない厳しい状況での戦いとなりました。それでも高木選手は冷静に燃費走行を続けました。スタートから30分後の14時50分頃に発生したアクシデントによるFCY(※1)を経て、15時20分、35周目に15位まで順位を上げてピットイン。給油とタイヤ交換を行い、新田守男選手がコースに復帰しました。
第2スティントを担当した新田選手は、第1スティントの苦戦を踏まえてソフト目のタイヤへと戦略を切り替えましたが、こちらも期待したパフォーマンスを得られず苦しい走行を強いられました。さらに、第1スティント中のFCY時にマシンに発生した制御系トラブルが原因で高木選手が前走車と接触。この接触により、新田選手の走行中にドライビングスルーペナルティ(※2)が課せられ、一時は27位まで順位を落としました。
レース残り55分、72周目に第3スティントで高木選手が再びステアリングを握ります。第2スティントでのソフトタイヤの戦略が奏功しなかったことから、第1スティントと同様のハード目のタイヤをセレクト。夕刻に向かい路面温度が低下したためかエンジンのパフォーマンスも復調し、高木選手は目覚ましい追い上げを見せました。1分39秒台前半から1分38秒台後半で周回を重ね、残り30分の16時50分頃、85周目には1分38秒637のベストラップを記録します。
第3スティント序盤の最終コーナーで後続車に接触され、バランスを崩してスピンする不運に見舞われながらも、持ち前の経験と技術で着実に順位を上げていった高木選手。他チームのマシントラブルなども影響し、17時20分、105周を走破して13位でチェッカーフラッグを受けました。
予選21番手からの8ポジションアップという素晴らしい追い上げを見せ、最終的に13位でフィニッシュしたK-tunes RCF GT3。今シーズンから15位までがポイント獲得可能となった新ルールのもと、貴重な3ポイントを獲得しました。
これで開幕戦の10ポイントに続く2戦連続でのポイント獲得となり、シーズン序盤から着実に戦績を積み上げています。マシンとタイヤとのマッチングに課題を抱えながらも、新田・高木選手というベテランドライバーコンビによる巧みな走りとチーム力が実を結んだ結果といえるでしょう。
(※1)FCY(フルコースイエロー):レース中にトラブルが発生したとき、コース全域で追い越しが禁止となり、全車規定速度に落として走行するレースコントロールシステム。赤旗やセーフティカーを出すまでではない小規模なアクシデント、デブリの回収などに対して安全確保のために講じられる。
(※2)ドライビングスルーペナルティ:レース中に科される罰則の一種で、課せられたドライバーはピットレーンに進入し、停止せずにそのままピットレーン出口からコースに復帰しなければならない。




Masahiko Kageyama 影山正彦 Team Director