雨のアクシデントから晴天の復活劇──K-tunes Racing開幕戦で全車健闘
6月13日から15日にかけて宮城県のスポーツランドSUGOで開催されたGT World Challenge Asia JAPAN CUP第1戦。昨シーズンのSUGO大会では98号車 Ferrari 296 GT3が2位、96号車LEXUS RCF GT3が4位に入賞しており、K-tunes Racingにとって相性の良いサーキットでの開幕戦です。一方、96号車、98号車が参戦するGT3のプロ・アマクラスは昨シーズンの4台から今季は10台へと大幅に増加し、激戦が予想されます。
96号車 LEXUS RCF GT3──予選トラブルから完全復活
14日、雨の予選Q1で末長一範選手が3ラップ目に馬の背コーナー出口でスピンし、ガードレールに接触するアクシデントを起こしました。ダメージはリアバンパー等に損傷を負う程度でしたが、大事をとって福住仁嶺選手が担当するQ2は出走を見送りました。結果的にQ1は1分36秒893で15位、Q2は棄権のため決勝レースRd.2はグリッド最後列からのスタートとなりました。
96号車はメカニックの懸命な修復により決勝出走へ。15日の決勝レースRd.1では末長選手が15番グリッドからスタートし、福住選手に交代後8位でフィニッシュ。決勝レースRd.2では福住選手が17番グリッドから5位まで上がり、末長選手に交代後6位でフィニッシュし、完全復活を遂げました。
98号車 Ferrari 296 GT3──スタートミスから上位奪還、ディフェンディングチャンピオンの意地
昨季シリーズ優勝を果たしたディフェンディングチャンピオンの98号車は、予選Q1で山脇大輔選手が6位、Q2で高木真一選手が4位と安定した速さを見せました。
決勝レースRd.1は山脇選手がスタートし、高木選手に交代後7位でフィニッシュ。決勝レースRd.2では高木選手が4番グリッドからスタートしましたが、オープニングラップでのスタートミスもあり後続車に右側から押し出されるようにコースアウトし15位まで後退。しかし、その後はトップ勢と変わらぬラップタイムを刻んで7位まで回復し、山脇選手に交代後、終盤で96号車をパスして5位まで順位を上げました。
97号車 GR SUPRA GT4──永井・ベティペアが堅実な走りで両レース完走
予選は永井良周選手がQ1で18位（GT4クラス3位）、ベティ・チェン選手がQ2で17位（GT4クラス3位）で終了。決勝レースRd.1では、永井選手が18番グリッドからスタートし、FCY（※）中のピットストップでベティ選手に交代。ベティ選手は1分32秒374のベストタイムで快走を見せましたが、GT4クラス3位で表彰台を獲得しました。続く決勝レースRd.2ではベティ選手が16番グリッドからスタートし、その後、永井選手はコンスタントに好タイムを刻んだものの、再びGT4クラス3位で終えました。
試練を乗り越え全車完走で連覇への第一歩
96号車の予選アクシデントという試練がありましたが、メカニックの完璧な作業により復活。98号車はアクシデントに見舞われながらも王者らしい安定した速さを発揮し、97号車は両レース完走を果たしました。K-tunes Racing全車がポイント獲得という開幕戦により、ディフェンディングチャンピオンとしての連覇への道のりへ幸先良いスタートを切りました。
（※1）FCY（フルコースイエロー）：レース中にトラブルが発生したとき、コース全域で追い越しが禁止となり、全車規定速度に落として走行するレースコントロールシステム。
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