不運に見舞われリタイアも翌日Race2への巻き返しに期待
5月の第2戦以来約3か月ぶりに日本で開催される2025年SUPER GT第4戦は、SUPER GT史上初となるスプリントレース形式で実施されました。8月2日に行われたRace1では、GT500とGT300クラスが混走する35周のスプリントレースが繰り広げられ、K-tunes RCF GT3は新田守男選手が全セッションを担当しました。
予選──一時トップタイムも終盤は再アタック断念で22位
予選はGT300クラス28台が同時にコースを走る形式で、午前11時40分から20分間で実施されました。気温33度、路面温度48度という厳しいコンディションの中、K-tunes RCF GT3は高温により本来のエンジンパワーが発揮できず、さらにブレーキング時にリアがロックする症状も発生していましたが、新田選手のベテランならではの走りで残り8分30秒の時点で1分38秒726を記録し、一時トップに躍り出ました。
しかし、その後ブレーキバランスの調整のためピットインし、そこでブレーキバランスが狙いよりもリア寄りになっていることが判明しました。タイヤもピーク性能を過ぎていたこともあり、新田選手は再コースインすることなく予選を終了。最終的に1分38秒726のタイムで22位となりました。GT300クラスのポールポジションタイムは1分37秒094で、約1.6秒の差でした。
決勝──序盤の接触トラブルで不運のリタイア
決勝レースは午後3時22分にスタート。気温34度、路面温度57度という高温状態は午前中から変わらず、雨雲も近づいていたためウェットタイヤも用意されていました。
レースは1ラップ目から予期せぬ展開が待っていました。GT500クラスのマシンが100RでコースアウトしてSC(セーフティカー)が導入される直前、ヘアピンコーナーの手前で前走車がSCを想定してか早めのブレーキングを行ったため、K-tunes RCF GT3の左フロントが接触してしまいました。
この接触の衝撃でワイヤーハーネス(電気配線)がショートし、車両の頭脳とも言えるECU(電子制御ユニット)に異常が発生。その結果、ギアが2速で固定されてしまい、シフトアップできないという深刻なトラブルに見舞われました。
新田選手は2ラップ目でエンジンの再始動などトラブルシューティングを試みましたが症状は改善せず、やむなくピットインしました。チームメカニックは約30分間の懸命な作業で、ヘッドライト、ワイヤハーネス、ECUの交換などの応急処置を実施。午後4時7分にコース復帰を果たしました。
しかし、復帰時点では既にトップ集団は残り9ラップという終盤。新田選手は翌日のRace2に向けてマシンの状況確認を行いながら走行し、最終的に4ラップでリタイアとなりました。
昨シーズンの第4戦富士でも前走車のタイヤバランスウェイトがラジエターを直撃する不運によりリタイアとなったK-tunes RCF GT3。今回も前走車の想定外の早いブレーキングとハーネスショートによるECUバグという不運の連鎖により、再び富士でのリタイアという結果に終わりました。
翌8月3日のRace2では高木真一選手がステアリングを握り、GT300クラス単独による50分間のレースで巻き返しを図ります。




Masahiko Kageyama 影山正彦 Team Director