第4戦/Race2

富士スピードウェイ

2025.08.3 sun

予選19位から高木選手の巧みな走りで巻き返し貴重な1ポイントを獲得

8月3日(日)、富士スピードウェイで2025年SUPER GT第4戦のRace2が開催されました。土曜日のRace1で不運のリタイアに終わったK-tunes RCF GT3は、高木真一選手がステアリングを握り、GT300クラス単独による50分間のスプリントレースで巻き返しを見せました。

予選──ソフトタイヤでの挑戦も19位スタート

予選はタイムアタック方式で、午前11時から20分間で実施されました。気温32度、路面温度44度と前日より若干低いコンディション。K-tunes RCF GT3は前日のRace1で新田守男選手がハードタイヤを選択していたのに対し、他のダンロップタイヤ勢がソフトを選んでいたことや、Race2では曇りがちで路面温度が低くなることが予想されたため、ソフトタイヤとマシンのマッチングを確かめる意味でもソフトタイヤをセレクトしました。

高木選手は多くのマシンがタイムアタックを試みコースが混雑する序盤を避け、残り7分を切ったタイミングでピットアウト。マシンのセッティングは悪くありませんでしたが、路面温度がやや高めだったこともあり、ソフトタイヤが思ったほどパフォーマンスを発揮できず、1分38秒458で予選19位となりました。トップタイムとは約1.3秒差、ポイント圏内の15位のクルマとは約0.7秒差でした。

決勝──見事なスタートから粘りの走りでポイント獲得

決勝レースは午後2時20分にスタート。気温32度、路面温度は42度とRace1決勝時より10度以上低いコンディション下で50分間の戦いが始まりました。

高木選手は19番グリッドから見事なスタートを決めて一気に16位まで順位を上げました。「19番グリッドはコースのイン側なので難しいだろうと思っていましたが、18番グリッドのマシンがスタートで失速し、運良く前に出ることができました」と高木選手は振り返ります。

その後、31号車がコースアウトしたことで15位とポイント圏内に浮上。ソフトタイヤの効果もあって序盤でペースを上げることができた高木選手は、ヘアピンコーナーの侵入で87号車をパスして14位まで順位を上げました。1分39秒159のベストラップを記録するなど、集団の中では速いペースで周回を重ねていきます。

しかし、残り35分の8ラップ目、ストレートスピードに勝る56号車のNISSAN GT-R NISMO GT3にストレートエンドでパスされ15位に後退。その後も87号車のLAMBORGHINI HURACAN GT3 EVO2との間で最終コーナーやストレートでの抜きつ抜かれつの攻防を繰り広げました。

ストレートではRCF GT3が優位に立てるものの、コーナーではLAMBORGHINI HURACAN GT3 EVO2が速く、マシン特性の違いが鮮明に現れた戦いとなりました。

最終的に16位でチェッカーフラッグを受けましたが、8位でゴールしたマシンがタイムペナルティ40秒が加算されたため、K-tunes RCF GT3は15位に繰り上がり、幸運もあって第2戦富士以来のポイント獲得を果たしました。

前日のRace1では不運なリタイアに終わったものの、Race2では高木選手の巧みな走りとチーム一丸となった取り組みが実を結びました。GT300クラス単独レースで駆け引きの場面が限られオーバーテイクのチャンスが少ないなかで、予選19位からポイントを獲得したことは今後に向けて明るい材料です。第5戦鈴鹿でも、この流れを継続してさらなるポイント獲得を目指したいところです。

Results

2025 AUTOBACS SUPER GT Rd.4 FUJI

  • Number
    96
  • Machine
    K-tunes RCF GT3
  • Driver
    高木真一

08/03 Race2 公式予選 富士スピードウェイ 天候:晴れ 路面:ドライ

  • Position
    19th
  • Best Time
    1’38.458
  • Tyre
    DL

08/03 Race2 決勝レース 富士スピードウェイ 天候:晴れ 路面:ドライ

  • Position
    15th
  • Best Time
    1’39.159
  • Tyre
    DL

Comments

  • Masahiko Kageyama

    Masahiko Kageyama 影山正彦 Team Director

    15位という順位は決して満足できるものではありませんが、チーム全員が一生懸命取り組んでくれた結果、ポイント獲得につながりました。今後は常時ポイント圏内で走れるレースを目指していかなければなりません。現在は成績的に厳しい状況ですが、必ず結果につながると信じて次戦鈴鹿に臨みます。LEXUS RCF GT3は中高速コーナーが得意なマシンで、鈴鹿サーキットとの相性も良く昨年も9位入賞(※)を果たしています。今はマシンとタイヤとのマッチングが厳しい状況がありますが、何とか上位に入りたいと思っています。 ※第3戦、第5戦ともに9位入賞

  • Morio Nitta

    Morio Nitta 新田守男 Driver

    Race2では前日発生した前後ブレーキバランスの問題やECU(電子制御ユニット)の異常といったトラブルは完全に解消されており、高木選手がソフトタイヤを上手くマネージメントして最後まで良い走りを見せてくれました。ただ、マシンとタイヤとのマッチングという根本的な課題は残っています。第5戦鈴鹿でも厳しい戦いが予想されますが、現状の課題に取り組みつつ、第6戦SUGOをターゲットにしていきたいと考えています。

  • Shinichi Takagi

    Shinichi Takagi 高木真一 Driver

    予選で狙っていたほどタイムを縮められず、19番グリッドと後方かつコースイン側の不利なポジションでしたが、運良くスタートで前走車3台をパスして16位までポジションアップできました。クルマ自体は比較的良い状態で、ソフトめのタイヤをセレクトしたこともあり、序盤は集団の中でも速いペースで走ることができ、タイヤを労りながらゴールまで走り切れました。ただ、Race2はGT500クラスとの混走ではなく、パスするチャンスが限られていたこともあり、改めて予選順位が重要でした。予選での一発の速さにはまだ課題があり、そこを改善していきたいと思います。

  • Taiyo Mitsumori

    Taiyo Mitsumori 光森太陽 Mechanic

    Race2は無事に完走できてホッとしています。一方、Race1での前走車との接触によるリタイアはチームにとっては厳しい結果でしたが、もともと岡山トヨペットで一般車のメカニックだった私たちにとって、スキルアップのための貴重な経験となりました。SUPER GTという最高峰のレースでは予期せぬトラブルが起こりますが、それらに対応することでメカニックとして成長できていると感じています。今回のような試練を乗り越えながら、今後もチーム一丸となって頑張りたいと思います。

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