ウェットでの健闘もトラブルに泣いた96号車と
世界舞台で日本勢2位表彰台の98号車
9月13日(土)・14日(日)、鈴鹿サーキットでGT World Challenge Asia 2025 JAPAN CUP(GTWCJC)第7-8戦が開催されました。

K-tunes Racingは98号車Ferrari 296GT3が同日開催の2025 Intercontinental GT Challenge(IGTC)第4戦「第49回 SUZUKA 1000km」に参戦するため、末長一範選手と福住仁嶺選手のPRO-AM(プロ-アマチュア)コンビによる96号車LEXUS RCF GT3の1台体制で臨みました。
GT World Challenge Asia 2025 JAPAN CUP 鈴鹿大会
予選──ドライコンディションで着実にタイムアップするも中団グリッド

13日午前中の予選は前夜の集中豪雨の影響でホームストレートとダンロップコーナー周辺が若干ウェット状態でしたが、ほぼドライコンディションでした。

Q1では末長一範選手がステアリングを握り、最終的に2分07秒696で13位(PRO-AMクラス9位)、Q2は福住仁嶺選手が9位(PRO-AMクラス9位)で予選を終え、Race1は13番グリッド、Race2は9番グリッドからのスタートとなりました。
Race1──雨中の戦略判断が鍵を握る
13時55分スタートのRace1(Japan Cup Rd.7)は一転して今シーズンのJAPAN CUP初のウェットレースとなりました。


末長選手は13番グリッドから2分25秒台で13位をキープ、レース序盤は雨が上がる中、8ラップ目には2分22秒895のベストタイムを記録するなど徐々にペースアップしました。


14時20分のピットオープン後、10ラップで末長選手から福住選手にドライバー交代。チームはレインタイヤを選択しましたが、路面状況の改善を受けて14ラップで2度目のピットインを決断し、スリックタイヤに交換しました。


タイヤ交換後の福住選手は水を得た魚のような走りを見せ、19ラップ目で2分10秒622、20ラップ目では2分08秒006と立て続けにベストラップを更新。トップ勢に迫るラップタイムで他車を追い上げ、最終的に総合11位(GT3プロアマクラス9位)でチェッカーフラッグを受けました。
Race2──マシントラブルに泣かされる展開
14日のRace2は安定したドライコンディションでの戦いとなりました。ところが、フォーメーションラップでエンジンがかからないトラブルが発生し、96号車は不利なピットスタートを余儀なくされました。


福住選手は19番手から果敢に順位を上げ、わずか4ラップで10番手まで9ポジションアップの追い上げを見せました。
しかし6ラップ目に福住選手が無線でステアリングセンターが左にずれているとの異常を訴え、ピットイン。メカニックが確認したところ、右リアサスペンションアームの付け根に破損が見つかり、安全を最優先に6ラップでリタイアとなりました。


Race2終了直後、チームに嬉しいニュースが届きました。TOYOTA GR Supra GT4 Evo2の97号車で参戦していた永井良周選手、ベティ・チェン選手がGT4カテゴリーの AM(アマチュア)クラスでシリーズチャンピオンに輝いたという知らせでした。96号車のリタイアに沈んだ空気が流れていたチームに、一転して歓声が響きました。
2025 IGTC第4戦 SUZUKA 1000km
予選──エンジントラブルを乗り越えて
同日同じ鈴鹿サーキットでは、2025 Intercontinental GT Challenge(IGTC)第4戦「第49回 SUZUKA 1000km」が開催され、98号車Ferrari 296 GT3が世界レベルの舞台に挑戦していました。


ドライバーは高木真一選手、山脇大輔選手に加え、ショーン・ウォーキンショー選手が参加しました。ウォーキンショー選手は、かつて高木選手とのコンビでSUPER GT 300クラスに参戦した経験があるスコットランド人ドライバーです。

同シリーズでは、ドライバーのFIAグレードの組み合わせによってワークスドライバーなどからなるPro(プロ)から全員がアマチュアドライバーのAm(アマチュア)まで5クラスに分類されます。

K-tunes Racingはちょうど真ん中となるBronzeクラスでの参戦となりました。ちなみにFIAグレードは高木選手とウォーキンショー選手がSilver、山脇選手がBronzeです。

ただし、参戦への道のりは決して平坦ではありませんでした。12日金曜日のテスト走行で、Ferrari 296 GT3のエンジンにトラブルが発生。ほとんどテスト走行を行うことができませんでした。

公式プラクティス以降のエンジン交換にはペナルティが科せられるため、チームは思い切ってその時点でエンジンの換装を決断しました。
メカニックが夜通し作業を行い、13日の10時45分からの予備予選には新しいエンジンで臨むことができました。


予選では3人のドライバーのベストタイムの平均でグリッド順位が決まり、総合24位(Bronzeクラス11番手)からのスタートとなりました。
決勝レース──終盤のトラブルから奇跡の完走へ


14日の決勝は12時50分のスタートから6時間30分にわたって争われる耐久レース。第1ドライバーのウォーキンショー選手は24番グリッドから確実に順位を上げます。
続く高木選手は2分03秒台のペースで周回を重ね、上位チームのピットインによる順位変動もあり、61ラップのピットイン時には11位(Bronzeクラス2位)まで上昇していました。


高木選手が記録した2分02秒489のベストラップは上位勢に迫るタイムで、マシンの性能とチームの実力を世界の舞台で証明していました。


第3スティントの山脇選手、再び高木選手へと続きましたが、残り1時間39分の時点でオイルタンクの破損が発覚しました。

オイルタンクの交換が必要となり厳しい状況に陥りましたが、残り4分前までにコースに復帰できれば完走扱いになるため、メカニックが懸命に作業を続行。なんとか応急修理を完了し、19時12分、レース残り5分でウォーキンショー選手がコースに復帰を果たしました。


見事完走を達成したドライバーとチームには、さらなる嬉しい知らせが待っていました。IGTC SUZUKA 1000kmに参戦している日本チーム2位として表彰台で表彰されることになり、メンバー全員が歓喜に沸きました。


2025シーズンを振り返って
GT World Challenge Asia 2025 JAPAN CUPの今シーズン最後のレースは、96号車の末長選手と福住選手にとってマシントラブルに泣かされる結果となりました。


K-tunes Racingは昨シーズン、同シリーズで98号車がシリーズチャンピオンに輝きましたが、今シーズンも97号車がタイトルを獲得できたのは、チーム一丸となって戦ってきた一人一人の努力の賜といえるでしょう。来シーズンに向けて、さらなる飛躍が期待されます。

Kazunori Suenaga 末長一範 Driver