最下位から驚異の巻き返しで13位完走
1周目のアクシデントを乗り越え3ポイント獲得
11月2日(日)、栃木県のモビリティリゾートもてぎで2025 AUTOBACS SUPER GT 第8戦「MOTEGI GT 300km RACE GRAND FINAL」の決勝レースが行われました。
96号車K-tunes RCF GT3は18番グリッドからスタートし、1周目で接触アクシデントに見舞われましたが、高木真一選手と新田守男選手の粘り強い走りで13位完走を果たし、3ポイントを獲得して2025年シーズンを締めくくりました。
好コンディションで決勝スタート
決勝当日は午後から雲が広がりましたが、気温20℃、路面温度22℃とタイヤに優しいコンディションでした。栃木県警のパトカーと白バイによるパレードランの後、13時07分に決勝レースが開始。スタートタイヤは抽選により、予選Q1で高木選手が使用した新コンパウンドのタイヤとなりました。
1ラップ目の接触で最下位に後退
1周目の第5コーナーで予期せぬアクシデントに見舞われました。3台が横並びで進入する中、イン側の87号車が中央の9号車に接触。コースのアウトサイドを走行していた96号車は接触した9号車に押し出される形でコースアウト。最下位まで順位が後退してしまいます。
終わった──ピットでレースを見守る誰もが思った瞬間、高木選手から無線が入りました。
「フロントサスペンションのアライメントがズレたようだ。左が曲がりにくい。ただ、左コーナーで通常よりステアリングを多く切れば、走り続けられる」
このように、ステアリングセンターに異常が生じましたが、高木選手はクルマをコントロールし続けました。
高木選手の軽快な走りで順位を回復
ダメージを抱えながらも、高木選手は冷静に順位を回復していきます。12ラップで20位、16ラップで18位、18ラップで17位まで順位を上げました。
さらに23ラップ以降、他車が続々とピットインする中で粘り続け、36ラップ目にはトップに立ちます。38ラップ目にピットインし、タイヤ交換と給油を実施。新田選手は11位でコースに復帰しました。
ピットで外されたタイヤは、ホイールリムから外れかけている状態であることが判明。この深刻なダメージを目の当たりにした高木選手や影山監督は、予定ラップ数を走り切ることができたことに胸をなで下ろしました。
新田選手が粘りの走りで13位完走
第2スティントを担当した新田選手は、アウトラップで2台にオーバーテイクされ13位に後退しました。ステアリングセンターがずれた状態に最初は戸惑いつつも即座に対応し、一時は前走者の777号車にピタリと付けるほどの走りをみせるなど、着実に周回を重ねました。
50ラップ目にFCY(フルコースイエロー)が導入された後は、タイヤが冷えたためかややペースが落ちましたが、最後まで走り切り13位でフィニッシュ。第5戦鈴鹿以来となるポイント圏内でレースを終え3ポイントを獲得しました。
来シーズンへの手応え
この最終戦では、新コンパウンドタイヤとマシンセットアップの相性が見事にマッチし、今シーズン最高のパフォーマンスを発揮しました。
レースに“タラレバ”はありませんが、1周目のアクシデントがなければ10位以内も狙える速さを持っていました。K-tunes RacingのSUPER GT 2025年シーズンは、チームの成長を感じさせる戦いで幕を閉じました。






Masahiko Kageyam 影山正彦 Team Director