持ち込んだタイヤが低い路面温度に合わず<br>厳しい戦いを24位完走で終え、残り2大会へ

2026.09.19-20 SUPER GT Rd.6 SUGO Race Report持ち込んだタイヤが低い路面温度に合わず
厳しい戦いを24位完走で終え、残り2大会へ

by Koichi Yamaguchi/ September 30, 2026

宮城県のスポーツランドSUGOで9月19日(土)・20日(日)、「2026 AUTOBACS SUPER GT 第6戦 SUGO GT 300km RACE」が開催された。96号車K-tunes RCF GT3は、持ち込んだタイヤと低い路面温度がかみ合わず22番グリッドから決勝に臨み、新田守男選手・高木真一選手のドライブで、24位でフィニッシュした。

予選──想定を下回った路面温度とタイヤのミスマッチに苦しむ

9月19日(土)午前の公式練習は、断続的に雨が降るなかで行われた。全面改修を経たSUGOの路面はグリップが高く、コーナリング速度の上昇とともにタイヤへの負荷も増している。周回を重ねるうち、96号車は左フロントタイヤの消耗に悩まされた。

通常、持ち込む4セットのタイヤのうち1セットを、気温や路面温度の想定が外れた場合に備えるバックアップ仕様とする。だが今大会、チームは勝ちにいくためにバックアップは用意せず、4セットすべてを攻めのコンパウンドでそろえていた。

ところが実際の路面温度は、攻めのコンパウンドが想定する温度域を下回る。予選で履いたタイヤで決勝を戦うレギュレーションを踏まえ、チームはフロントサスペンションをソフトに振り、フロントタイヤへの負荷を抑えるセットアップで予選に臨むことにした。高木真一選手が小雨のなかで試していた仕様だ。

気温27℃・路面温度28℃のドライコンディションのもと、14時48分にQ1 Bグループが始まると、新田守男選手は3周かけてタイヤを温めた。

一瀬俊浩チーフエンジニアは無線で「4周目からタイムアタック」と指示したが、前を走る18号車がペースを落としてクリアラップが取れず、新田選手はこの周のアタックを見送った。

5周目に入るタイミングで「このまま2回アタックしましょう」と無線が入り、新田選手は同ラップで1分18秒406をマーク。セッション残り30秒となった6周目に最終アタックに入ったが、タイヤの摩耗でセクター1から前周のタイムに及ばなかった。新田選手は「コーナー進入でフロントが入らない」と一瀬チーフエンジニアに伝え、ピットへ戻った。

Bグループ11番手でQ2進出ラインの9番手には届かず、決勝は22番グリッドからとなった。

決勝──左フロントタイヤを労り続けた我慢のレース

20日(日)は前夜からの雨が昼前には上がったが、スタート時にも路面には濡れた区間があった。気温23℃・路面温度25℃は、前日の予選開始時と比べて気温で4℃、路面温度で3℃低い。想定レンジを下回っていた路面がさらに冷え、タイヤには一段と不利な条件となった。

ウェット路面が残っていたため、決勝は通常のフォーメーションラップに代えてSC(セーフティカー)先導でスタート。13時30分に始まったレースは、SCが4周にわたって隊列を先導した後、5周目から本格的に動き出した。

新田選手はすかさず30号車をかわして21番手へ。6周目には96号車のレース中ベストラップとなる1分19秒813をマーク。一瀬チーフエンジニアが無線で「トップと変わらないペースが出せているので、タイヤを労ってもらって大丈夫です」と伝えると、新田選手は21番手のポジションを守りながら周回を重ねた。

だが10周を過ぎると、最も負荷の大きい左フロントタイヤの摩耗が進む。新田選手は「最終コーナーが全然曲がらなくなった」と無線で訴えたが、一瀬チーフエンジニアは「これ以上前のクルマと離れると、2輪交換の効果がなくなるので頑張ってください」と応えた。

ラップタイムは14周目には1分25秒台まで落ち込み、17周目には26番手まで後退する。序盤の燃料満タンの重さに加え、濡れた路面からスタートし、ラバーが乗っていない乾きかけの路面を走ったことがタイヤへの負担を大きくしたと、レース後、新田選手は分析した。

24周目、最終コーナーの立ち上がりでコースアウトした30号車が、復帰時にスピンしてGT500車両と接触。FCY(フルコースイエロー)に続いてSCが導入される。

ペースが落ちたためか、悪化を続けていたタイヤの状態はひとまず落ち着く。「クルマのセットアップ自体はすごく良い」との新田選手の報告を受け、チームは4輪か左側2輪かで検討していたタイヤ交換について、左側2輪交換で行けるか見極めに入った。

SCで前との差が縮まったこともあり、一瀬チーフエンジニアは当初ミニマム周回を予定していた第1スティントを引き延ばすことを決める。第2スティントの高木選手が走る周回数と積む燃料を減らし、タイヤへの負担を抑える狙いである。

ライバルのピットインで11番手まで浮上した39周目、96号車はピットへ。チームは最終的に左側2輪の交換を決め、メカニックが完璧な作業でタイヤ交換と給油を行う。交代した高木選手は9番手でコースに戻ったが、アウトラップで26番手まで順位を落とした。

その後、25番手で周回を重ねる高木選手も、66周目に「いよいよ最終コーナーが曲がらなくなってきた」と、新田選手と同じ症状に直面する。ただ、燃料が減った残り10周ほどで、ペースはトップ勢と同等の1分21秒台へ回復。

78周目に20号車をかわして24番手にポジションアップし、そのままチェッカーフラッグを受けた。1周差以内の完走で3ポイントを加えたが、チームランキングは前戦終了時の14位から18位へ後退した。

タイヤを守るセットアップの可能性

結果は24位にとどまったが、クルマについては収穫もあった。一瀬チーフエンジニアは決勝に向け、スプリングを柔らかくしたうえでバンプラバーを活用し、左フロントタイヤに負荷がかかる局面でのみ荷重をリアへ移すセットアップを施した。以前から考えていたアイデアを、テストを経ずに投入したものだ。

「狙っていた方向性は合っていた」と一瀬チーフエンジニアは振り返る。両ドライバーも、クルマの仕上がりそのものは良かったと口をそろえる。

残るレースは、オートポリス大会(第7戦)と、延期となったセパン大会の第3戦を第8戦とあわせて行うもてぎ大会のみ。ランキングを一つでも押し上げるべく、K-tunes Racingはオートポリスで上位フィニッシュを目指す。

Comments

SUPER GT Rd.6 SUGOを終えて

  • Masahiko Kageyama

    Masahiko Kageyama 影山正彦 監督

    予選はここまで厳しい状況になるとは想定しておらず、何もかもが残念な一日でした。決勝も路面状態とタイヤのミスマッチに苦しみ、周回遅れでブルーフラッグを振られる展開になりました。周回遅れになると、レースはどうしても不利になるので、もう少し前のグリッドからスタートしなければなりません。それでもメカニックはピット作業を完璧にこなし、チームの雰囲気もモチベーションも高く保てています。残り2大会、前を向いて戦っていきます。

  •  Morio Nitta

    Morio Nitta 新田守男 ドライバー

    公式練習からタイヤの状態が思わしくなく、予選はフロントサスペンションをソフトに振ってタイヤを守るセットアップで臨みました。その分コーナー進入でフロントがインに向きにくく、最終コーナーも攻め切れないアタックでした。決勝はクルマの仕上がりが良く、序盤は抑えながらも1分19秒台で走れましたが、燃料満タンの重さが特に左フロントタイヤに負担をかけ、ペースを上げられませんでした。もう少しタイヤを守れたのではという反省もありますが、これ以上、どうすればよかったのか答えが見つからない、難しいレースでした。残りのレースで、なんとか盛り返したいと思います。

  • Shinichi Takagi

    Shinichi Takagi 高木真一 ドライバー

    公式練習では小雨のなか、左フロントタイヤを守れる決勝用のセットアップを試していました。その仕様で新田選手に予選を走ってもらい、タイムを出しにくくしてしまったのは申し訳なかったです。決勝もフロントタイヤに負担をかけないよう、車体の動きを許容するセットアップで臨みました。燃料が減った終盤は1分21秒台まで戻せました。ピットでの左側2輪のみの交換は、路面温度が低いなか、右側2輪をウォームアップする必要がなかった点を考えると、正しい選択でした。タイヤになるべく負荷をかけないセットアップなど学ぶことも多いレースだったので、今後に活かしていきたいと思います。

  • Hiroyuki Kagami

    Hiroyuki Kagami 各務宏幸 メカニック

    予選Q1を突破できなかったのは、セットアップを決め切れないまま予選に臨んだことが要因の一つだと思います。それでも決勝は大きなトラブルもなく、我々メカニックもピット作業でミスなく仕事を果たせました。順位は24位という悔しい結果になりましたが、ドライバーからはマシンの状態は良かったと聞いているので、タイヤ・路面・セットアップの3つがうまくかみ合えば、次戦はもっと良い結果につながるでしょう。そこでもチームに貢献できるよう頑張ります。

Results

2026 AUTOBACS SUPER GT Rd.6 SUGO

  • Number
    96
  • Machine
    K-tunes RCF GT3
  • Driver
    新田守男/高木真一

09.19 公式予選Q1 Bグループ スポーツランドSUGO 天候:曇り 路面:ドライ

  • Position
    11th
  • Best Time
    1'18.406
  • Tyre
    BS

09.20 決勝レース スポーツランドSUGO 天候:曇り 路面:ドライ

  • Position
    24th
  • Best Time
    1'19.813
  • Tyre
    BS

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