末長選手がジェントルマンクラス優勝阪口選手はRd.1で4位もRd.2はマシントラブルでリタイア
レーシングドライバー=「ドライビングアスリート」が主役…
5月16日(土)・17日(日)、宮城県のスポーツランドSUGOにてGT World Challenge Asia JAPAN CUP 2026が開幕した。K-tunes Racingは2台体制で今シーズンに臨んでいたが、96号車Chevrolet Corvette Z06 GT3.Rが15日(金)のテスト中にエンジンブローを起こし、走らずして開幕戦を終えることとなった。97号車Ferrari 296 GT3の1台体制で挑んだ開幕戦は、第1戦を総合8位(GT3 PRO-AMクラス7位)で完走したものの、第2戦はリタイアという結果に終わった。
アマチュアドライバー末長一範選手、プロフェッショナルドライバー阪口晴南選手のコンビで第1-2戦に挑むことになっていた96号車。5月15日(金)に行われた公式有料テストで、末長一範選手がドライブ中に「突然エンジンが落ちた」との無線がピットに届いた。エンジンブローにより換装が必要な状態だったが、代替エンジンがなく、チームはこの時点でのリタイアを決断した。



SUGOに訪れたレースファンや大会主催者からも注目を集めていた新鋭アメリカンスーパーカーの実戦デビューは、次戦富士スピードウェイへ持ち越されることとなった。


16日(土)午後、公式予選が行われた。15時スタートのQ1はアマチュアドライバーが担当するセッションで、ベティ・チェン選手がコースイン。4周目に1分23秒247と着実にタイムを伸ばしたが、27号車 Audi R8 LMS GT3 EVOⅡのコースアウトによりセッションは赤旗中断に。再開後の7周目に1分22秒608のベストタイムを刻んだものの、9位でQ1を終えた。


Q2はプロフェッショナルドライバーの高木真一選手が担当。2周目に1分20秒815で2位につけると、3周目には1分19秒827に更新。タイヤ交換して再アタックに臨み、残り1分40秒での最終アタックで1分19秒594を記録したが、ライバル勢もタイムを更新し6番グリッドを確保した。



翌17日(日)午前、1時間のタイムレース形式で行われた第1戦。路面温度が51℃まで上昇する中、Q1の結果により9番グリッドからベティ選手がスタート。



5周目、181号車Ferrari 296 GT3 EVOと27号車Audiの2台にオーバーテイクされ、総合11番手(GT3 PRO-AMクラス8位)にポジションを落としたものの、ベティ選手は安定した走りで周回を重ね、17ラップを終えたところでピットイン。高木選手へとバトンを渡した。
コースへ復帰した高木選手は、1分21秒台前半のタイムでトップ勢と遜色ない速さを見せる。20周で27号車 Audi R8 LMS GT3 EVOⅡ、22周で66号車Ferrari 488 GT3 EVO、27周で45号車Ferrari 296 GT3 EVOと着実に前走車をパス。最終的にベストタイム1分21秒185を記録して総合8位(GT3 PRO-AMクラス7位)でチェッカーを受けた。



チームからは「今のペースはトップ3と変わらない」との無線が届いたが、「特に最終コーナーでアンダーステアが強く、セットアップを変えたい」と高木選手がコメント。チームはこの指摘を受け、第2戦へ向けてアンダーステアを解消すべくセットアップの修正を急いだ。
第2戦は15時15分にスタート。スタートドライバーを務める高木選手は、Q2の結果に基づいて6番グリッドからレースに挑んだ。


第1戦で指摘のあったアンダーステア傾向を受け、チームはセットアップをオーバーステア方向に修正。一方、エンジンパフォーマンスが本来の調子でない状況は第1戦から変わらなかった。コーナーでは後続車を引き離せるのに、立ち上がりの加速勝負では詰め寄られる。
「ストレートで後続に追いつかれる。トップスピードに差がある」という感触を、高木選手は無線でチームに伝えた。



そうした厳しい状況下でも高木選手は6番手をキープし続け、プロドライバーが走れる時間ギリギリとなる残り26分のタイミングでピットへ向かい、ベティ選手へとバトンを渡した。
ピットイン直前、チームはセットアップ変更について高木選手に無線で確認すると、「オーバーステア傾向だが、いい方向でまとまっているのでこのままで!」とのコメントが届く。そこでチームはタイヤ交換のみ行い、第2スティントのベティ選手を送り出した。


その直後、ピットに設置された中継モニターにリアからスモークを発してスローダウンする97号車が映し出され、スタッフたちに衝撃が走った。
ベティ選手がピットレーン出口から加速した瞬間、交換直後で温まりきっていないリアタイヤがグリップを失ってスピンし、コース左側のウォールに右リアが接触してしまったのだ。ベティ選手はなんとかピットに戻ろうとしたが、レインボーコーナーのコース脇にストップ。無念のリタイアとなった。


実はベティ選手にとって、決勝中のタイヤ交換を伴うドライバー交代でコースへ戻るという経験は初めてのことだった。冷えたタイヤでいきなり全開走行を求められる難しさが、このアクシデントにつながってしまった。

2026年シーズン開幕となるSUGO大会は96号車のまさかのリタイアに始まり、97号車も第2戦でノーポイントという厳しい船出となった。しかし、セッティングの方向性や課題はある程度見えてきており、7月11-12日に富士スピードウェイで開催される第3-4戦までは2カ月弱ある。今大会で得たデータや経験を生かし、次戦での2台体制での走りに期待したい。
GT World Challenge Asia 2026 JAPAN CUP Rd.1-2を終えて
私にとっては不運なレースになってしまいましたが、高木選手と一緒に走れて楽しかったですし、チームの皆さんのサポートにも感謝しています。スポーツランドSUGOはコンパクトでテクニカルなコースで、とてもチャレンジングでした。第2戦では、ピットアウト直後にタイヤが温まりきっていない状態でスピンしてしまいました。決勝でタイヤを換えて再スタートするという経験がこれまでになかったので、難しさを痛感しました。次戦の富士スピードウェイでは、もっと速く確実に走って表彰台を狙いたいです。
Shinichi Takagi 高木真一 ドライバー
第1戦はアンダーステアが強く、特にごまかしの効かない最終コーナーで苦しく、その分セクター3のタイムが伸びませんでした。第2戦に向けてセッティングを修正した結果、クルマ自体はまとまりのいい状態になりましたが、エンジンが本来のパフォーマンスではありませんでした。コーナーでは後続車を引き離せるのに、出口の加速勝負で追いつかれる場面が続きました。これについては原因を調べて対策できればと思います。次戦の富士スピードウェイでは、よりいいセッティングを見つけて臨みたいです。
05/16 予選Q1 スポーツランドSUGO 天候:晴れ 路面:ドライ
05/16 予選Q2 スポーツランドSUGO 天候:晴れ 路面:ドライ
05/17 決勝Rd.1 スポーツランドSUGO 天候:晴れ 路面:ドライ
05/17 決勝Rd.2 スポーツランドSUGO 天候:晴れ 路面:ドライ
Betty Chen ベティ チェン ドライバー