得意のコースで迎えるシーズン後半戦ベテランの経験と有利なサクセスウェイトで上位へ
開幕から4戦、積み上げた27ポイント 開幕から4戦を終え…
9月5日・6日、静岡県の富士スピードウェイでインタープロトシリーズ(IPS)2026シーズン第2大会(第3-4戦)が行われた。ジェントルマンクラスの末長一範選手は、初日の公式予選を赤旗によりタイムアタックができないまま終えたが、第3戦決勝では終盤の追い上げでジェントルマンクラス優勝を果たし、第4戦も同クラス2位で表彰台に立った。プロフェッショナルクラスの阪口晴南選手は、予選でトップ勢に迫るタイムを記録したものの、第3戦決勝でギアシフトのトラブルが発生し11位。修復が間に合わず第4戦はリタイアとなった。
前夜から朝にかけて降った雨により路面が乾ききらず、8時50分からの予選では難しい判断が求められた。


気温21℃、路面温度20℃とタイヤが温まりにくい状況で、末長選手はウェットタイヤでコースイン。テクニカルディレクター役も務めていた阪口選手の「スリックでいけるか確認してください」という無線に、末長選手は「スリックでいける」と応答。アウトラップを終えるとすぐにピットへ戻り、スリックタイヤへの交換を行った。


しかし、ウォームアップランを経てようやくタイヤが温まりタイムアタックに入ろうとした矢先、55号車がコースアウトし赤旗中断に。末長選手はアタックが叶わないまま予選が終わり、ベストタイム2分07秒852でエキスパート・ジェントルマン総合11位(ジェントルマンクラス7位)にとどまった。


決勝グリッドは、予選5番手のタイムを記録していた55号車がタイヤ交換のペナルティによりクラス最後尾に降格。これにより末長選手は10番グリッド(ジェントルマンクラス6位)となった。さらにスタート前には88号車がトラブルで出走できず、フォーメーションラップの時点で総合9位まで順位が上がっていた。
15時25分、第3戦決勝がスタートすると、末長選手はスタート直後の1コーナーで16号車をイン側からパスして8番手にポジションを上げた。3周目のホームストレートでは前を走る2台と3ワイドの隊列になり、1コーナーへの進入でまとめてかわして一気に6番手(ジェントルマンクラス3位)まで順位を上げた。


4周目には自己ベストの1分48秒472を記録。これはトップを走るエキスパートクラスの44号車・山口達雄選手のペースとわずかコンマ2秒差というタイムだ。
7周目には8号車をパスし、5番手(ジェントルマンクラス2位)につける。同周回では1分47秒921を記録して全体ファステストラップを更新した。


9周目には、3位を走っていた3号車がコカ・コーラコーナーでスピン。これにより末長選手は一時4番手(ジェントルマンクラス1位)に順位を上げたが、直後に32号車にかわされて5番手(同クラス1位)に後退する。
11周目、直前を走っていたエキスパートクラスの71号車・大山正芳選手が大きくタイムを落とすと、末長選手は4番手に返り咲く。そのままチェッカーフラッグを受け、総合4位・ジェントルマンクラス優勝、さらに全体ファステストラップも記録する完璧なレースとなった。


この勝利により、末長選手は第1-2戦終了時点の24ポイントに21ポイントを加算して合計45ポイントとなり、8号車・中島功選手と並んでシリーズポイントランキング2位につけた。
6日(日)は朝から雨が降り出し、時間の経過とともに雨脚が強まる予報を受けて、13時50分開始予定だった第4戦決勝は12時55分に前倒しされた。


予選セカンドベストタイムで10番グリッド(ジェントルマンクラス6位)につけていた末長選手。レースはセーフティカー先導でスタートし、グリーンシグナル点灯後は激しく水しぶきを飛ばしながら、着実に順位を上げていった。


4周目に27号車をかわして9番手、5周目には前を行く8号車がダンロップコーナーでスピンして8番手に繰り上がると、6周目には1コーナーで16号車をパスして7番手(ジェントルマンクラス3位)までポジションアップ。このラップで自己ベストとなる2分03秒842をマークした。
さらに7周目には61号車もかわして6番手(ジェントルマンクラス2位)まで順位を上げると、雨が降り続くなかでもセクターベストを更新するペースを保ち、6番手(同クラス2位)でフィニッシュした。


末長選手は前週末、地元・岡山国際サーキットで行われたGT World Challenge Asia JAPAN CUPをプロドライバーの福住仁嶺選手とのコンビで制したばかり。今大会でもポディウムに上がり、3戦連続で表彰台に立つ快挙を成し遂げた。
気温22℃、路面温度24℃と、9月初旬にしてはいずれも低いコンディションの中、プロフェッショナルクラスの予選は12時15分から15分間行われた。


混走するスープラ勢との位置を確認しつつ、セッションが進むにつれて回復していく路面状況も見極めながら、阪口選手は開始4分20秒でピットアウト。
4周目に1分46秒048で3番手につけると、5周目には自己ベストの1分46秒028まで縮めるが、他車も更新したため4番手に後退。6周目のアタックでは自己ベストを上回れず4位で予選を終えた。


予選を終えた阪口選手は、「クルマの動きはイメージしていた通りだが、ドライ路面では100Rでアンダーステアが強い」と振り返る。1分45秒台に入っていたトップ3台との差を詰めきれないまま、プロフェッショナルクラス第3戦は4番グリッドからのスタートとなった。
天候の悪化を見越し、当初16時55分開始予定だった第3戦決勝レースは15時55分に前倒しされた。終日雨が降り続き路面はヘビーウェットとなるなか、レースはセーフティカー先導でスタートした。


開始直後の5周目、阪口選手はホームストレートで3番手の16号車に並びかけた。1コーナー進入では抑えられたものの、コーナー立ち上がりでかわし返して表彰台圏内の3位に浮上する。
しかしその直後、6周目の13コーナーを走る阪口選手から、「2速から3速にシフトアップできない」という無線が飛び込んだ。続けて「1速にも入らない」と切迫した声が響く。


そのままピットに戻った阪口選手はコースに復帰することなく、トップから1ラップ遅れの11位という結果に終わった。その時点でのメカニックの見立てでは、ステアリングコラムのシフトレバー周辺で電気系のトラブルが発生した可能性が高いという。
プロフェッショナルクラスは第3戦の結果がそのままグリッド順となって第4戦がスタートするフォーマットだが、修復作業は間に合わず、96号車は不出走のままレースを終える。阪口選手にとっては第2戦でのバッテリートラブルに続き、マシントラブルに泣かされる一戦となった。


末長選手はクラス優勝を含む2戦連続の表彰台で、ポイントランキング2位に浮上した。10月のシーズン最終ラウンドでは、ジェントルマンクラスのシリーズチャンピオンに挑む。
阪口選手は、予選ではトップ勢に匹敵するペースを見せたが、第2戦に続き、マシントラブルにレースを阻まれる結果となった。最終戦に向けて、クルマの信頼性向上が課題として浮かび上がる週末となった。


Inter Proto Series 2026 Rd.3-4を終えて
予選でアタックできなかったモヤモヤを、決勝でしっかり晴らすことができました。スタート直後の1コーナーや3周目でのパスも狙い通りで、全体のファステストラップを記録できたのも大きな収穫です。終盤に32号車の永井秀貴選手にかわされたのは悔しいですが、エキスパートクラスの永井選手とのバトル自体は楽しめました。第4戦は慣れないウェットコンディションで不安もありましたが、大きなミスなく着実にポジションを上げることができました。10月の最終ラウンドにも、この流れをつなげていきたいと思います。
Sena Sakaguchi 阪口晴南 ドライバー
予選はドライ路面で、正直なところトップ勢には届かないだろうと思っていましたが、4位とまずまずの順位で終えることができました。ただし、トップとのタイム差は大きく、ドライでのセットアップには改善の余地があると感じています。ウェット路面は練習走行から感触が良く、決勝でもロニー・カンタレッリ選手をかわして3位にポジションを上げることができました。残念ながらその直後にシフトトラブルが発生し、レースはあっけなく終わってしまいました。前戦でのバッテリートラブルに続き、今回もトラブルでリタイアとなったのは非常に残念です。残り1大会ですが、有終の美を飾れるようなレースをしたいと思います。
09/05 ジェントルマンクラス公式予選 富士スピードウェイ 天候:曇り 路面:ウェット
09/05 ジェントルマンクラス第3戦決勝 富士スピードウェイ 天候:曇り 路面:ドライ
09/06 ジェントルマンクラス第4戦決勝 富士スピードウェイ 天候:雨 路面:ウェット
09/05 プロフェッショナルクラス公式予選 富士スピードウェイ 天候:曇り 路面:ドライ
09/06 プロフェッショナルクラス第3戦決勝 富士スピードウェイ 天候:雨 路面:ウェット
09/06 プロフェッショナルクラス第4戦決勝 富士スピードウェイ 天候:雨 路面:ウェット
Kazunori Suenaga 末長一範 ドライバー