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5月3日(日)・4日(月)、静岡県・富士スピードウェイで「2026 AUTOBACS SUPER GT 第2戦 FUJI GT 3 Hours RACE GW SPECIAL」が開催された。ゴールデンウィークで延べ8万3600人が訪れたサーキットで、96号車K-tunes RCF が本来のエンジンパフォーマンスを発揮できないなか、新田守男選手・高木真一選手のベテランコンビとチームスタッフが一丸となり、3時間レースを10位でフィニッシュ。8ポイントを加算し、開幕2戦の累計は20ポイント、チームランキングは29台中9位につけた。
5月3日午前の公式練習。気温21℃、路面温度32℃と想定内のコンディションのもと、コースインした新田守男選手から「エンジンのパワー感が全然ない」との無線がピットに届く。
続いてステアリングを握った高木真一選手からも同様の訴えが続き、「コーナー進入でリアが出る」「ヘアピンでABSが介入し過ぎて制動距離が伸びる」とのコメントが無線で届いた。



走り出しでセットアップが定まらないなか、一瀬俊浩チーフエンジニアと辻凱杜パフォーマンスエンジニアを中心に、チームはセットアップを変更しながら、一つひとつ丁寧に対処していった。
午後に入ると西方から強風が吹き込み、路面温度は午前の32℃から約27℃まで低下。タイヤのグリップ特性が変化するなか、チームはギリギリまでセットアップを煮詰め、14時20分にスタートしたGT300クラスAグループのQ1に挑んだ。



集団を避けるべく最後にピットアウトした高木選手は、クリアなコース上でアタックに集中。「残り時間30秒、もうワンプッシュ」という一瀬チーフエンジニアの無線に応えるように4ラップ目で1分36秒652を刻み、チェッカーフラック後の5ラップ目にさらに1分36秒390へ更新。Aグループ7位でQ2進出を決めた。
「コーナーの出口でアンダーステア気味」という高木選手の報告を受け、チームはQ2に向けてフロントの車高を落としダウンフォースを増やす方向にセットアップを変更した。



Q2は15時13分にスタート。18台中最後にコースインした新田選手は2周目に3位まで浮上したが、ライバル勢の続々とタイム更新し、4周目にベスト1分36秒172を記録したものの、15位に終わった。
ホームストレートに吹く強い追い風の影響もあってか、GT300予選トップが1分34秒314のコースレコードを樹立し、13位以上が1分35秒台に集中する激戦の予選だった。そんななか、新田選手は「セクター1・2は悪くなかったが、低速コーナーが連続するセクター3がRCF GT3のエンジン特性に合わず厳しかった」と振り返った。翌日の決勝は15番グリッドから3時間レースに挑む。


前夜からの激しい風雨は翌朝には収まり、5月4日の富士スピードウェイには初夏の陽光が降り注いだ。気温24℃、路面温度は43℃と、予選時の27℃から16℃も上昇するなか、恒例の静岡県警白バイとパトロールカーによるパレードランを経て、14時07分にGT300クラスの3時間タイムレースが幕を開けた。
第1スティントを担当した新田選手はスタート直後から後続車に次々とオーバーテイクされ、5周目には24位まで後退する。RCF GT3のエンジンが本来のパフォーマンスではなかったからだ。
14周目に前走の45号車をパスして23位に浮上したものの、上位陣の1分38秒台後半に対し、新田選手は1分39秒台後半から40秒台前半での周回を強いられた。


チームはすでに1回目のピットで左側2輪のみ交換する戦略を立てており、新田選手は右タイヤへの負荷を最小限に抑える丁寧な走りで、淡々と周回を重ねる。
スタートから1時間4分が経過した38周終了後、新田選手はピットへ。左側2輪のみの交換は通常の4輪交換よりピット作業時間を約7秒短縮できるうえ、温まっている右タイヤのおかげでアウトラップ(ピットアウト直後の1ラップ)でのタイムロスも抑えられる。


メカニックたちは、第1戦岡山大会での作業ミスの教訓を全員で共有し、今回は完璧に作業を終えた。
14位でコースに復帰した高木選手はアウトラップで18位に後退。43周目にGT500クラス37号車がホームストレートでトラブルにより停車してFCY(フルコースイエロー)が導入された。


他車のピットインやトラブルによる順位変動で、FCYの時点で12位につけていた高木選手は、FCY解除後の48周目に前走の6号車をパスして11位へ。54周目には他車のペナルティもあり、10位まで順位を上げる。
このレースウィークの天候が変わりやすく、チームは路面温度が上がらない場合に備え、ソフト目のタイヤも持ち込んでいた。第3スティントではそのタイヤを使わざるをえなかったのだが、蓋を開けてみると当日は風雨をもたらし雲は西風に乗って去り、想定より路面温度が高まってしまう。


そこで、一瀬チーフメカニックは、ソフト目のタイヤで走る第3スティントをできるだけ短くすべく、第2スティントを引き延ばすことに。しかし、無交換の右タイヤのグリップが徐々に低下し、ラップタイムが落ちてきたタイミングを見計らい、スタートから2時間9分が経過した75周終了後、2度目のピットインの指示を出す。
メカニックは4輪すべてを交換し、高木選手がそのまま14位でコースへ復帰する。搭載燃料が軽くなった第3スティント終盤に1分38秒台に入る場面もあったが、今大会で初めて実戦投入したこのソフト目のタイヤは、期待したほどのパフォーマンスを発揮できず、1分39秒台中盤のタイムが続いた。


それでも高木選手は着実に周回を重ね、残り18分の場面で前走の61号車がトラブルによりリタイアしたことで10位へポジションアップ。17時07分30秒、チェッカーフラッグ。96号車K-tunes RCF GT3は優勝車から2ラップ少ない105ラップを走り切り、10位でゴールした。


K-tunes Racingは今大会で8ポイントを加算し、開幕2戦の累計は20ポイント、チームランキングは29台中9位に位置する。今回の3時間レースでは特性の異なる2種類のタイヤを実戦に投入し、それぞれのデータを蓄積した。メカニックたちも着実にピット作業をこなすなど、チーム力は着実に高まっている。
第3戦セパン・インターナショナル・サーキット大会が延期になり、次戦は8月22-23日、真夏の富士スピードウェイとなる。極暑のなか厳しい戦いが予想されるが、第2戦での経験をもとに、チームはより上位を目指す。
SUPER GT Rd.2 FUJIを終えて
今回は第1戦岡山大会と比べてエンジンの中低回転域のトルクが細く、コーナーの立ち上がりでの加速勝負が難しい状況でした。トップスピードが同じでも、そこに至るまでの時間が長い分、競り合いでは苦しかった。それでもドライバーもメカニックも最後まで力を尽くし、ピット作業をミスなくこなしてくれたことが10位という結果につながったと思います。左側2輪交換という新しい戦略を、岡山の反省を活かしてきっちり決められたのは収穫です。次戦は、今大会で得たタイヤのデータとセットアップの知見を最大限に活かし、表彰台を狙える戦いをしたいと思います。
Morio Nitta 新田守男 ドライバー
日曜日の公式練習からエンジンパワーの不足を感じながら挑んだ第2戦でした。決勝のスタート後はコーナーの立ち上がりだけでなくストレートでも引き離され、次々と後続車にパスされてしまいました。集団から離れて単独走行になってからはようやくペースが戻り、右タイヤを消耗させないように意識しながら、高木選手に繋ぐことはできました。最終的に10位に入れたのは、高木選手の安定した走りとチームの戦略のおかげです。予選でもセクター1・2は感触が悪くなかったので、セクター3のパフォーマンスを含めてセットアップの方向性を整理し、第4戦の富士大会ではもう一段階上の結果を目指したいと思います。
Shinichi Takagi 高木真一 ドライバー
予選Q1はエンジンパワーが厳しい状況で、タイヤのパフォーマンスを活かしてコーナリングでタイムを稼ぐ走りに徹しましたが、エンジニア陣が短時間でセットアップを仕上げてくれたおかげでQ1を通過できました。第2スティントでは左2輪交換で温まっていた右タイヤのおかげでアウトラップからある程度ペースが維持できましたが、周回を重ねるにつれてオーバーステアが強まってきました。2度目のピットで4輪を交換してからは1分38秒台に入れる場面もあり、2種類のタイヤの特性を実戦でしっかり比較できたのは大きな収穫です。15番グリッドからの10位は、今のクルマの状態では最良の結果だと感じています。この経験を活かして、次戦はより上位を狙います。
Hiroaki Shiome 下江浩晃 工場長
第1戦岡山大会ではマシントラブルやピット作業でのミスが起きてしまったので、今回はメンテナンスから着実に行い、着実なピット作業を全員で事前に徹底して共有して臨みました。左側のみのタイヤ交換も4輪交換もミスなく行え、10位でフィニッシュできたのは素直に嬉しいです。経験の浅いメンバーもいますので、自分がこれまで積み上げてきた知識と経験をチーム内で共有しながら全体のレベルを底上げしていくことが今の自分の役割だと考えています。次戦も全員でしっかり準備して、もっと前でフィニッシュできるよう貢献したいと思います。
05.03 公式予選Q1 Aグループ 富士スピードウェイ 天候:曇り 路面:ドライ
05.03 公式予選Q2 富士スピードウェイ 天候:曇り/雨 路面:ドライ/ウェット
05.04 決勝レース 富士スピードウェイ 天候:晴れ 路面:ドライ
Masahiko Kageyama 影山正彦 監督