Chevrolet Corvette Z06 GT3.RとFerrari 296 GT3 <br>2台の新マシンでGT3クラスに挑む

GT WCA 2026 JAPAN CUP Series Preview Chevrolet Corvette Z06 GT3.RとFerrari 296 GT3
2台の新マシンでGT3クラスに挑む

by Koichi Yamaguchi/ May 15,2026

5月16日・17日、宮城県のスポーツランドSUGOでGT World Challenge Asia JAPAN CUP 2026が開幕する。K-tunes Racingは今シーズン、96号車Chevrolet Corvette Z06 GT3.Rと98号車Ferrari 296 GT3の2台体制に刷新。さらに96号車には昨シーズンから継続の福住仁嶺選手に加え、阪口晴南選手を迎え、2人のトップドライバーがローテーションで全4大会8レースを戦う。

GT World Challenge Asia JAPAN CUPとは

GT World Challenge Asia(GT WCA)のJAPAN CUPは、2024年シーズンからGT WCA内の独立シリーズとして確立された、まだ歴史の浅いカテゴリーだ。

車両はGT3・GT4・GTC(ポルシェカップやフェラーリチャレンジなどのカップカー)の3区分、ピレリのワンメイクタイヤで争われる。ドライバーはアマチュア同士のAM(アマチュア)クラス、プロとアマチュアPRO-AMクラスに分けられる。

1大会2レース制に加え、Rd.1の勝者にはRd.2でピットストップ時のハンディキャップが課され、BOP(バランス・オブ・パフォーマンス)調整(※)と組み合わさることで、戦略的なレース展開が重要なシリーズである。

初代シリーズチャンピオンに輝いた98号車

その初年度となった2024年、K-tunes Racingは96号車LEXUS RCF GT3、98号車Ferrari 296 GT3という2台のGT3マシン、さらにGT4クラスにTOYOTA GR Supra Evo2の3台体制で挑み、98号車の高木真一選手/山脇大輔選手のプロ・アマコンビが、GT3クラスの初代シリーズチャンピオンを獲得した。

2025年シーズンは96号車のプロドライバーとして福住仁嶺選手を起用し、引き続き3台体制で挑んだが、特に2台のGT3マシンはトラブルに泣かされたシーズンとなった。

GT3クラスに2台体制で挑む

2026年、チームは96号車Chevrolet Corvette Z06 GT3.Rと98号車Ferrari 296 GT3 の2台体制で参戦する。JAPAN CUP最多となる6台がエントリーするFerrari 296 GT3に対し、Chevrolet Corvette Z06 GT3.Rはたった1台となる。 

なぜ今シーズン、このアメリカンスーパーカーを採用したのか──岡山トヨペットを母体とするK-tunes Racingがレース活動を行う理由のひとつは、メカニックをはじめとするスタッフの人財育成だ。

海外のレーシングカーで参戦すれば、トヨタ・レクサス以外の車両を経験でき、本国のエンジニアとコミュニケーションをとる機会も生まれ、個人のスキルアップやチーム力の向上につながる。Chevrolet Corvette Z06 GT3.Rの採用も、そうしたチームの考えに基づいている。

世界的ファッションデザイナー、相澤陽介氏によるマシンのグラフィックデザインも要注目だ。今シーズンSUPER GT300クラスに参戦するK-tunes RCF GT3と同一のデザインモチーフを継承しながら、96号車はイエロー、98号車はグリーンをベースに仕上げられた。赤をベースとしたK-tunes RCF GT3とはまた異なる個性が光る。

日本を代表する2人のトップドライバーがローテーションを組む

ドライバーに目を向けると、96号車のアマチュアは昨シーズンに引き続き末長一範選手となるが、プロは阪口晴南選手(Rd.1-2 SUGO・Rd.7-8鈴鹿)と福住仁嶺選手(Rd.3-4富士・Rd.5-6岡山)がローテーションを組む。

ともにSUPER FormulaとSUPER GTで活躍するトップドライバーが同一マシンを代わる代わる走らせるのは珍しい。アメリカンスーパーカーの代名詞といえるChevrolet Corvette Z06 GT3.Rを、今をときめく2人のトップドライバーがいかに操るのかも見どころのひとつだ。

98号車は昨シーズンに引き続き高木真一選手がプロドライバーとしてステアリングを握る。一方、アマチュアには昨シーズン、TOYOTA GR Supra Evo2を駆り、GT4 AM(アマチュア)クラスでシリーズチャンピオンに輝いた台湾人ドライバー、ベティ・チェン選手がGT3クラスへとステップアップして走る。

鈴鹿1000kmには阪口晴南選手が参戦

なお、昨シーズンと同様、Rd.7-8鈴鹿大会と同日に開催されるIntercontinental GT Challenge Rd.4 SUZUKA1000kmへの参戦も決定しており、こちらは2024年から共に戦いつづけているLEXUS RCF GT3を、3名体制の1人として阪口晴南選手がドライブする予定だ。

エンジニアリング面では、SUPER GTでK-tunes Racingのチーフエンジニアを務める一瀬俊浩氏が96号車を担当する。昨年はリモートでのサポートだったが、現場で指揮する今シーズンは、チームの総合力を確実に引き上げるはずだ。

しかし、2026年は昨年にも増して多くの強豪チームがエントリーしており、より厳しいシーズンとなることは間違いない。

例えば、SUPER GT GT500クラスで2024年25年と連覇した山下健太選手を擁するmiracoro TOKYOのMcLaren 720S GT3だ。また、昨シーズンチャンピオンに輝いたHitotsuyama with CORNES RACINGのFerrari 296 GT3 も手強いライバルとなるだろう。

その開幕戦となるSUGO大会が5月16日・17日、スポーツランドSUGOで開かれる。Chevrolet Corvette Z06 GT3.RとFerrari 296 GT3、2台のマシンが実戦デビューとなるこのラウンドでどのような走りを見せるのか、ぜひ注目していただきたい。

(※)「BOP(バランス・オブ・パフォーマンス)」は日本語で「性能調整」を意味し、異なる性能のマシンが競合するレースにおいて、各車両の性能差を埋め、より接戦で面白いレースを促すために導入されているシステム。

Share!